全国初の教員初任者研修 140名の教師を企業に受け入れ

徳島同友会 新任教員の初任者研修 (1)

徳島同友会

 もう2年前になります。2014年3月10日徳島県立総合教育センター教職員研修課の当時の班長さん、指導主事さんが教職員の初任者研修の件で事務局に来局されました。

 新任教員の初任者研修は、新規採用された教員が一年間、学校現場で必要な教授法や校務等様々なことを系統的、計画的に学ぶもので、法律で実施を定められています。その中で徳島県教育委員会は、教員の幅広い視野を育成するために中小企業の現場で職業体験を行いたいということでした。

 「なるほどいい趣旨だなあ」と思ってすこしぼんやり聞いていると、指導主事さんが「できれば140名程度、1社4人程度一組で、全体で40班前後を2日間受け入れて欲しい。見学とかではなく、実際中小企業のみなさんが行なっている業務を体験させて欲しい」と言われました。私は急なことで驚きましたが、すぐに会員リストから受入してくれそうな会員企業をピックアップして依頼をしていきました。

 大学生や高校生の職場体験を受け入れている企業も多かったので数社は快く受け入れてくれましたが、受入に慎重だった企業は、「何をしたらいいかわからない」「顧客の個人情報が事務所内たくさんあるので第三者は入れられない」「4人は多すぎる。1名だったら受け入れられる」とさまざまな不安を持っていました。

 そこで会員企業に「中小企業の現場を学校の先生に知ってもらうことはマーケティングにもつながる。今年は140人だが10年続けると1,400人の学校の先生が中小企業の現場を知る。今年は第一歩だが続けることで中小企業を知ってもらうことにつながっていく。教育機関との連携は長期的な視野に立っての投資であり必要なことだ」と電話や支部例会の最後で時間をもらい訴えました。

 『経営指針作成の手引』の中で経営理念策定には「地域社会や環境に対する基本姿勢」が問われています。このことを思い出していただき、地域とともに育つとの趣旨に賛同して34社ほど受け入れてくれる企業が集まりました。

徳島同友会理事 (有)小田商店 代表取締役 小田 大輔