中小企業憲章制定6周年記念セミナー開催【北海道】

 北海道同友会は中小企業憲章制定6周年記念セミナーを6月13日に札幌ガーデンパレスで開催し、道内の会員や関係団体、大学から81名が参加しました。

 同セミナーは2010年に閣議決定された憲章の精神を普及し、地域と中小企業の発展を図ることを目指しています。また全道の自治体に中小企業振興基本条例制定を促し、憲章・条例を生かす施策展開に向けた経験交流の場ともなっています。

 基調講演に立った経済産業省中小企業庁事業環境部企画課長の石崎隆氏は、政府による中小・小規模事業者の現状と支援策の変遷を説明。さらに今年7月より施行される中小企業等経営強化法の事業別の活用方法について解説し、「中小企業の生産性の向上と取引条件の改善が重要な課題。皆様の協力を得ながら進めていきたい」と述べました。

 事例報告では、北海道北部に位置する下川町の谷1之町長が「森林版6次産業で地域の持続的発展をめざす」と題して講演。伐採・植林・育成を持続していく「循環型森林経営」について語りました。2007年に制定された下川町中小企業振興基本条例や豊富な森林資源を活用したバイオマスによるエネルギー自給など、全国的にも先進的な取り組みを紹介しました。谷氏は「資源・暮らし・情報・人材について考える視点を持ち、経済循環を進めたい」と述べました。

 最後に北海道同友会の守和彦・代表理事が「常に勉強を怠るな。やることはたくさんある。2人の講演から経営者の基本姿勢について考えさせられた。同友会が政策提言を考える際のヒントをいただいた」とまとめました。

「中小企業家しんぶん」 2016年 7月 5日号より