社員との顔の見える関係を (株)ライフ白銅 代表取締役社長 小島 秀孔氏(埼玉)

【採用と教育】第5回

(株)ライフ白銅代表取締役社長・小島秀孔氏

 「採用と教育」をテーマに各社の取り組みを紹介する連載の第5回。今回は、(株)ライフ白銅代表取締役社長の小島秀孔氏(埼玉同友会会員)に、風通しの良い職場を目指した企業づくりについて聞きました。

 私はガソリンスタンドの店員として(株)ライフ白銅にアルバイトで入社し、その後正社員となりました。(株)ライフ白銅は当時東京同友会に所属していたので、東京同友会の合同入社式に参加したことを覚えています。

 入社後4年目には店長を任されました。そこで、サービス業界の離職率の高さを痛感しました。当時は1990年代前半でまだバブルの影響から他の給与水準と比べて低かったことも原因の1つです。また、併せて企業の雰囲気も不穏でした。月に1度の店長会議では、参加しない人もあり、参加しても何も話さずうつむいて社長の話を聞くだけという状況でした。その日は「行きたくないなあ」と感じていたのが本音です。

本社勤務を経て20年目に現会長より代表取締役社長を引き継ぎました。当時からガソリンスタンド以外にスポーツ事業(スポーツクラブ、ゴルフ練習場)やレストラン事業を展開していました。社長になってまず取り組んだことが社風の改善です。

 同友会には部長のころから入会していたため、共同求人活動と社員教育の一貫した取り組みを学んでいました。多方面に展開している強みをアピールして事業に興味・関心のある方を採用しています。離職率の高さを少しでも解決するための手段です。

 営業店舗は現在1都4県に17店舗あります。社員が連帯感を持つため、年に1度の全体会議と月に1度の会議を行い社員の中で意見を出しあってもらっています。顔が見え話しあえる関係をつくることが大事です。これは私の店長時代の教訓です。

ここで、原口学・クラブマネージャー(入社7年目)に話を聞きました。

 店舗ごとのジョブローテーションもあり、新しいことへの挑戦がとても楽しいです。私は「ジョイフィット春日部」の店舗マネージャーを任されていますが、1カ月のトレーニングメニューの作成やダンス発表会など地域のイベントにも関わっています。全体会議では同期や先輩と「新店舗の責任者になりたい」と手を挙げあい、競い合う社風があります。

 小島氏 2014年に社員満足度アンケート(5段階評価)を実施し、「やりたい仕事内容か?」「仕事に満足していますか?」の数字がともに3・57と一番数値が高く、うれしかったです。課題としては「能力を高めるための教育機会や仕組みは整っていると感じますか」が最低値でした。社員からは「もっとマナーなどの基礎的な学習を」と要望があり、足元を固めることが重要と気づかされました。

 こうした改善の取り組みは私が社員を経験していたから生まれているのだと思います。社員から自主的に成長したいと手が挙がっていますので、経営者として新店舗の計画など企業の発展に尽くしていきます。

(株)ライフ白銅

「中小企業家しんぶん」 2016年 7月 15日号より