未来が見える経営をめざして~田中・兵庫同友会代表理事を招き合同支部例会を開催【熊本】

 熊本同友会は7月12日に熊本地震からの会員企業の事業継続や復興のため合同支部例会を開催し、60名が参加しました。

田中信吾・兵庫同友会代表理事

 4月14日に起きた熊本地震の影響が地域に残る中、阪神淡路大震災の教訓から学ぶため田中信吾・兵庫同友会代表理事(日本ジャバラ工業(株)代表取締役)を招き、「未来が見える経営をめざして~非常時の経営者の決断力と実行力~」をテーマに報告がありました。

 田中氏は阪神淡路大震災後の会員企業や地域金融機関の様子を克明に報告。自身がどのように行動し、決意してきたか、経営者と代表理事の立場としてしなければならないと感じたことなどを率直に語りました。

 震災時の判断を迫られた経験では経営者として、(1)重大ですぐに取り組めること、(2)重大だけれどすぐに取り組まなくてよいこと、(3)重大でもないけれど時間が経つと重大になること、(4)重大でもなければ特にするべきでないことなどの4段階の視点を持って迅速性と正確性を担保した決断をしたと話し、「危機的状況で決断をできるのは経営者のみ」と強調しました。報告の最後には、社員の成長こそが10年後の企業発展の鍵であるとして社員研修などの実践についても報告しました。

 その後、グループ討論が行われ、参加者からは「信用は自ら創造するもの」「震災の対応に追われていたが、10年後をめざし企業の存続発展をしていく覚悟です」などの声がありました。

 熊本地震からの復興に向けてそれぞれができることは何かを模索した例会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2016年 8月 15日号より