台風の爪あと深く~北海道で台風災害

北海道台風被害報告

 8月16日から7号、11号、9号台風が相次いで北海道に上陸し、10号台風がさらに追い打ちをかけるように猛威をふるい、甚大な被害をもたらしました。

 北海道がまとめた被害状況は955億円にのぼり、激甚災害申請の対象とならない農作物や水産関係の被害、商工業や学校、福祉施設の被害を合わせると、2000億円に迫る見通しです。このうち農作物被害は160億円。うち十勝管内だけでも、ジャガイモ、ビートなどの農地冠水、トウモロコシの倒伏などで82億円にのぼります。

 会員数907名の北海道同友会とかち支部には、農業会員が163名います。収穫を目前に畑の冠水被害に見舞われた農場では、輪作体系の崩れも心配されています。他の地域でも強風による施設の損壊・果実の落果、停電による牛乳の廃棄などの被害がありました。

 漁業者では、養殖カキの大部分が死滅した会員もいます。床上浸水したホテルや国道が閉鎖された地域のドライブインでは営業停止を余儀なくされました。

 事務局が把握している被災会員は50社あまりですが、時間の経過と共に、被災者はさらに広がるとみられます。

 橋梁や路盤の流出により、札幌と帯広・釧路、北見・網走を結ぶJR各幹線の復旧の目途は今も立っていません。物流や観光面の影響も尾を引いています。

 9月6日に開かれた北海道同友会第3回理事会では、1日も早い復旧を願い、被災された会員を励ますための「お見舞い金募金」活動に取り組むことを決めました。

「中小企業家しんぶん」 2016年 9月 25日号より