成長率高いインドと技巧力のスリランカ【中同協・視察事前学習会】

中同協インド・スリランカ視察事前学習会

 10月4日、東京同友会会議室で中同協インド・スリランカ視察事前学習会が開かれ、10名が参加しました。

 視察のテーマである「世界一の成長率となったインドの多様性を見る~『人間らしく生きる』を改めて考える」のもと、日本貿易振興機構(JETRO)や国際労働財団(JILAF)から講師を招き、「経済成長の実態と中小企業振興」「日本とインドやスリランカとの関係」などについて、学びを深めました。

 人口12億人のインドは、公用語のヒンディ語と準公用語の英語のほかに21の言語が使われる多民族国家であり、2050年まで人口ボーナスが続き、中間所得層が増え消費拡大にあること、製造業の躍進が経済を牽引していることなどが紹介されました。

 「南アジアのシンガポール」といわれるほど美しいスリランカは、識字率も9割を超え、高級食器、造船など日本と同等の高い技術力を持っていること、第2次世界大戦後の日本の分割統治案に対し、当時の大統領が反対を表明し、戦後賠償も放棄した親日国であることなどについて説明がありました。

 一方で、インドは貧富の格差が大きく、カースト制が慣習として残っており、労働法が日本のように体系化されておらず、露天・路上物販などインフォーマルセクターでは、雇用契約なしに労働者が保護されない状態にあることなどの報告もありました。

 今回の視察では、それぞれの国の経済団体や中小企業省との懇談も予定されており、「中小企業における労使関係の見解」や「中小企業憲章」の英訳も持ち込んで懇談する予定です。

「中小企業家しんぶん」 2016年 11月 5日号より