同友会の企業づくりが見える政策提言づくりが事務局の役割

中同協 政策担当事務局員研修交流会を開催

中同協・政策担当事務局員研修交流会

 11月10日、政策担当事務局員研修交流会を開催し、13同友会と中同協から25名が参加。近年に比べて参加同友会、参加者数ともに増え、各同友会での憲章・条例推進運動の前進を受けて、事務局として政策活動に取り組むことへの関心の高まりが現れた交流会となりました。

 「自治体産業政策のいまと、同友会事務局に期待される政策力~地域経済づくりに向けて~」と題して講演した文教大学教授の梅村仁氏(中同協企業環境研究センター委員)は、兵庫県尼崎市で産業振興課長など23年間の行政職員経験を振り返り、企業誘致や集積地域の立地問題に取り組むなかで中小企業の現場を多数訪問したことを報告。自治体職員が中小企業政策の形成力を高める上では、地域の声を聞き新しい知見や情報を収集する力を基礎に、さまざまな事象を分析し総合的に考える力が欠かせず、そのためには中小企業の現場からの政策要望や懇談の場が重要と、同友会の政策活動に期待を表明しました。

 また、「愛知同友会の政策活動と中小企業振興基本条例」について報告した愛知同友会 事務局員の池内秀樹氏は、愛知同友会の政策活動は「決して同友会らしい企業づくりと切り離されたものではない」こと、「自らは経営責任を果たすがその遂行のために政策、環境を変えてほしいという自主・自立の立場からの提案」であることを特徴としており、池内氏自身、「会員経営者の経営実践に根拠をもった政策提言」、「経営者の顔が浮かぶ政策提言」といえるくらい会員企業の声と実態に基づいて政策をつくろうと努力してきたことを報告しました。「中小企業経営者に、勇気と自信を持ってもらえる政策活動をしたいし、そんな事務局員になりたい」との締めくくりは、参加者の共感を呼びました。

 参加者からは「日常業務の多忙さのなかで政策活動になかなか時間を注げない」などの現状が語られ、アドバイザーからは、「政策活動は同友会理念の根幹にかかわる活動であり、これを担う事務局の役割は大きい」、「位置づけを高めて前進させるためには、各同友会事務局長の役割に期待したい」などの発言がありました。

 参加者からは、事務局での政策活動を前進させるうえで、この交流会の位置づけを高め、時間も長めに確保して開催してほしいと感想が寄せられるなど、今後の展開に期待の高まる交流会でした。

「中小企業家しんぶん」 2016年 12月 5日号より