ベンチマークをもとにメインバンクと対話を~金融庁・日下室長を迎え勉強会【広島】

広島同友会 金融庁・日下室長を迎え勉強会

 2016年12月24日、広島同友会は金融庁の地域金融企画室長と地域金融機関等モニタリング長を兼任する日下智晴氏を招き、「金融庁の新しい方針と元気な地域づくりと中小企業づくり」の勉強会を行いました。当日は会員・事務局24名と、参加を呼び掛けたすべての県内金融機関(8金融機関)から理事長など13名が出席しました。

 金融庁の新しい方針とは、取引先の企業価値向上や地域経済活性化のために、金融機関自身による創意工夫を促す「金融仲介機能のベンチマーク」を打ち出したこと。日下氏は、これまでの不良債権処理とその後遺症について解説し、地域密着型金融について歴史を振り返りながら、めざすべき方向を語りました。

 日下氏は広島の金融機関を退職し、1年前、金融庁の現職に就任しました。昨年、金融庁の出した「金融機関に金融仲介機能の十分な発揮を促す。担保・保証に依存する融資姿勢を改め、事業に対する目利き力を高め、地方創生をはかり、企業と経済の持続的成長に貢献する」という行政方針に、「いよいよこの日が来た。金融庁の変わる日が来た。不良債権処理から本来のミッションに立ち返った」と思ったとのこと。

 また「少子化と人口減少が進むなかで、地域をいかに元気にするか、行政も金融機関も企業も本気で考えなくてはなりません。日本の金融機関が健全な今こそ、企業価値の向上や経済の持続的成長に貢献する金融業を実現しなくてはなりません。金融庁は腹をくくっています」と強調しました。

 各金融機関は、金融庁の方針を受け企業活動と地域経済に貢献していくための独自のベンチマークをこれから公表していきます。各企業は、そのベンチマークをもとにメインバンクと対話し、自社の経営に活用(どのようなサービスを金融機関に求めるのか)していくことが求められ、こうしたことが金融庁のめざす地域経済の持続的成長につながることを確認した勉強会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2017年 2月 15日号より