“学習権”を社員教育に生かそう【中同協社員教育委員会】

中同協社員教育委員会

 2月7日に東京都内にて第2回中同協社員教育委員会が行われ、20同友会と中同協から45名が参加しました。

 第1部では11月に千葉で開催された人を生かす経営全国交流会の感想交流や、来年度開催される全国行事の紹介がされました。また「私たちの考えるインターンシップ」の文章改訂や中同協50年史の編さんにあたり、社員教育委員会部分については正副委員長を中心に作成にあたることの提案があり、承認されました。

 第2部は社員教育の理念に生きる「学習権」の精神を改めて学ぶため、堀尾輝久東京大学名誉教授が「学習権と企業における社員教育」をテーマに講演。豊かな人間の生き方と働きがいのある仕事が結びつくような職場づくりをしてほしいと語りました。また国吉昌晴・中同協顧問より1995年にユネスコ学習権宣言を学んで以来、社員教育に学習権の考え方を生かそうと取り組んできたと報告がありました。その後グループ討論を行い、学びを深め合いました。

 参加者からは「学習権について学びながら“教育”とは何かという原点をみつめていき、これを社員教育に反映させることが重要であることを実感した」という感想もありました。

 最後に梶谷俊介・社員教育委員長が「経営者は社員に対して同化を求めがちです。そうではなく、社員一人ひとりが自分の人生を“問い続け、深く考え”共に学びあい、社員自身が“自分の歴史をつづる主体者”として思い描く人生を実現できる、学習権の考えを生かした企業づくりをしていきましょう。また、教育現場の中で学習権への認識はまだ少ないのが日本の現実です。人間の本質、学習の本質を広く発信していくためにも、学習権をテーマに行政や先生方とも議論を深めていくことが大切です」とまとめ、閉会しました。

「中小企業家しんぶん」 2017年 2月 25日号より