希望と新たな決意を胸に新しいステージへ~各地の合同入社式・新入社員研修会から

 この春、39同友会で合同入社式、42同友会で新入社員研修が開催されました。

 採用難が続く中でも、各地では多くの新入社員を迎えています。

合同入社式・新入社員研修会(道北あさひかわ支部)【北海道】

やります、できます、やりきります。

 北海道同友会道北あさひかわ支部では3月28日に合同入社式&新入社員研修会を開催し、28社69名が参加しました。

 経営者を代表して、剣淵町で農業を営みながら軽トラマルシェなど、地域活性化の取り組みを行っている(株)VIVA FARM取締役副社長の高橋朋一氏が講演しました。自身の経験を踏まえ、「社会人として一番大事なのは、大きな声で元気良くあいさつをすること。あいさつがしっかりできれば大抵のことは解決する。」また、「積極的にチャレンジして失敗を重ねることが10年後、皆さんの自信に変わる」と語ります。そして、「物事には必ずプラスとマイナスの面がある。マイナス面の捉え方を変えてプラスに変化させる能力も社会人としては必要になります」と続けました。

 最後に「やります、できます、やりきります。を合言葉に日々業務に取り組んでほしい」と熱いメッセージがありました。

 午後からは、会員講師による正しい接遇や言葉遣いについてのマナー研修がありました。

合同入社式・新入社員研修会(函館支部)【北海道】

未来の地域の姿を思い描きながら

 北海道同友会函館支部は3月27日「2017年度合同入社式・新入社員研修会」を開催しました。

 今年で32回目、17社42名の新入社員が緊張の中にも社会に羽ばたく決意を固め参加しました。冒頭では函館支部高橋支部長((株)アイズ 代表取締役)「地域の期待を担って入社された新入社員の皆さんに改めておめでとうございます」とお祝いのあいさつがありました。

 先輩社員からの激励の言葉では、入社2年目のキョーツー(株)の米澤晴美さんより「皆さんは失敗してもよいので積極的に仕事に取り組んでください。」とアドバイスがあり、決意表明では、星組渡辺土建(株)山口浩之さんより「未来の自分の姿そして未来の地域の姿を思い描きながら全力を尽くします」と力強い決意表明がありました。会員経営者の講演で入社式は終了。

 その後、新入社員研修が行われ、学校と職場の違いや、社会人としてのルールとマナー、中小企業で働くことの意義・やりがいなどについて学びました。

合同入社式・新入社員研修会【埼玉】

社会人としての飛躍を期待して

 埼玉同友会は4月4~5日に川口市で、合同入社式・新入社員研修会を行い、新入社員33社80名、経営者・アドバイザーとして約40名が参加しました。

 4月4日の午前中は合同入社式を開催し、まず久賀きよ江・埼玉同友会代表理事が「人が育つ環境を整え、みなさんの成長を考えるのが同友会の中小企業です。みなさんのこれからを楽しみにしております」と激励のあいさつ。

 次に、経営者から新入社員の紹介があり、新入社員ははつらつとした返事で応えました。

 先輩社員を代表して、三協ダイカスト(株)の齋藤史穂氏から歓迎のあいさつ、新入社員からは(株)吉田電工の山田燎氏が力強く決意を表明しました。

 記念講演として、木下信次・埼玉同友会代表理事から「頼まれごとは試されごとの精神で失敗をおそれず挑戦することが大切。皆さんが職場の宝として活躍してほしい」と期待を述べました。その後、記念品を授与し、閉会しました。

 4日の午後から新入社員研修が開催され、最初に、参加者の緊張をほぐすアイスブレイクが行われ、社会人の心構えについて小山展弘・泰清倉庫(株)代表取締役から報告がありました。小山氏は「あきらめず辛抱強く続けることで人間力が身につきます。会社の異なる研修会同期のつながりを大切にしてほしい」と提起しました。

 報告を受けて、学生と社会人の違いや期待と不安、職業人に求められる心構えについて、模造紙とポストイットを活用してまとめ、発表を行いました。

 4月5日には小倉越子・ナウカ人事教育サポート代表取締役よりマナー研修が行われ、あいさつや名刺交換からはじまり電話や来客対応などの社会人の基礎的な作法を学びました。

 研修の最後に、2日間で学んだことを話し合い、決意表明を行いました。

 各グループのスタッフが新入社員一人ひとりにメッセージを添えて修了証書を手渡し、閉講となりました。

 小島秀孔・埼玉同友会社員教育委員長は「皆さんはもう社会人です。企業に戻り今日学んだことを実践してください。今後の飛躍を期待しています」と研修をまとめました。

合同入社式・新入社員研修会【長野】

高い志を胸に社会人としての第一歩を

 長野同友会では4月3日に合同入社式が開催され、34社から70名の新入社員が参加しました。

 初めに関野友憲代表理事より「仕事を通して人格形成と社会の形成者として求められる能力を高め、より良い人生を築いて下さい」とのお祝いの言葉がありました。

 その後は新入社員一人ひとりの紹介とバラの花が手渡され、新入社員を代表して寺下貴史氏((株)ISTコンサルティング)より「学ぶことの大切さ、学んだことを力に変えて、実行することの面白さを胸に1日でも早く会社の力となれるよう努力してまいります」という力強い決意表明がありました。続いて、入社2年目の志摩圭悟氏((株)羽生田鉄工所)からは、「学生から社会人になり戸惑うことがたくさんあるかと思いますが、常に悩みや課題と正面から向き合うことで着実に成長していけると思います」と励ましの言葉が贈られました。

 研修の部では、コーディネーターに吉澤怜一氏(泉カーサービス(株)社長)、パネリストには宮澤高弘氏((株)システムプラン)、小布施美穂氏((有)本郷鶏肉)、保科愛氏((株)牛越製作所)を迎えてのパネルディスカッションが「明るく楽しく働くためには」「早く会社にとけ込むためには」をテーマに行われました。パネリストからは(1)入社の動機(2)社会人と学生との違い(3)働きがい・やりがいなどについて体験談に基づいて分かりやすい提起があり、吉澤氏からは「今やらなければいけないことを1つずつクリアして自分の経験を後輩に伝えられるような社会人になってほしい」との助言がありました。

 最後に同友会大学担当理事の山崎肇氏より「入社後は当然壁にぶつかることもある。対人関係や壁を乗り越えたときに初めて仕事に対しての面白さや興味が湧いてくる」とのまとめがあり閉会となりました。

 半年後に予定されている新入社員(若手社員)フォローアップ研修では社会人としての互いの成長度合いを確認していきます。

合同入社式・新入社員研修会【富山】

感謝できる人、感謝される人になろう

 富山同友会は3月30~31日に、今年で32回目となる2017合同入社式(31社59名)、新入社員研修会(32社62名)を開催しました。

 従来の研修会では「働くこと、生きること」の意味を伝えてきましたが、今年はそこからもう一歩踏み出すことを目指し、「感謝」を全体テーマとし、感謝できる人、感謝される人になってもらいたいという思いで企画を練り上げました。

 入社式では森田昌孝代表理事から「感謝の気持ちを大切にして、地域経済発展の原動力になってほしい」というメッセージと、富山市商工労働部課長から祝辞、富山県知事から祝電が送られました。記念講演「ぼくが映画監督になるまで」では、映画「真白の恋」監督の坂本氏(富山市出身)が挫折や苦悩を乗り越え、周りに夢を語り続けたことで徐々に協力者が現れ、人に助けられて夢を叶えることができた経験談は参加者に大きな感動を与えました。

 1泊型の新入社員研修会では、1日目は「感謝ができる人になろう~人としての在り方を学ぶ」として、まずは基本的なビジネスマナーの実習を受けた後、提示されたテーマについて参究(個別に熟考すること)し、そのあと意見交換を行いました。夜には、お世話になった人への感謝を108個書き出す作業を遅くまで真剣に取り組んでいました。

 2日目は「感謝をされる人になろう~仕事のやり方、PDCAの回し方」として、グループごとに施設清掃のためのPDCAを回してみましたが、どのグループもうまくいかず、なぜうまくいかなかったかを、その後の「THEチーム」というゲームを通じて検証しました。2日間の集大成として、お世話になった人へ感謝の手紙を書き、最後は各社社長から新入社員へ手紙を読み上げました。中島勝喜共同求人委員長が「これから仕事を通じて地域を支えていく大事な若者として育っていってください。そしてわれわれ経営者は、皆さんが成長でき、働きやすさとやりがいを両方感じてもらえる環境づくりに全力で取り組みます」と宣言し、閉会あいさつとしました。

【新入社員の感想】

 一番心に残ったことは、2日目に感謝の手紙を書いたことです。前日に行った感謝の言葉を108個書き出す作業は途中で詰まり苦労しましたが、この作業で改めて周りの人への感謝の気持ちに気が付くことができました。この108つをもとに、母への感謝の手紙を書き、研修終了後に母の前で読み上げました。手紙にすることで、当たり前と思っていたこともありがたいことだったと気がつきました。私はこれまでの感謝に対するお返しをしてこなかったので、社会人になった今、できる範囲のことからお返しをできるようになると決めました。

新入社員研修会【鹿児島】

新社会人として熱のこもった決意を発表

 鹿児島同友会は設立当初から共同求人活動をスタートし、今年で30年を迎えます。今年も新入社員研修会を3月28日より2泊3日で行いました。今回は19社47名の新入社員が研修を受けました。年々、参加企業数、参加者ともに増えています。

 初日のオリエンテーションでは自己紹介を行い、その後は、「社会人気質」「社会人1年生の心得」「働くとは何か」「会社は新入社員に何を期待するか」と題したテーマでそれぞれ会員による報告がありました。それぞれの報告から参加者は、社会人としてどうあるべきか、今後心身ともにより良く生きていくためには自分がどうしていくべきかなどを学び、メモを一生懸命取っていました。

 報告後は全グループが討論・発表を行いました。グループ討論を通して講義内容をより深く理解するため、まず自分の意見を言う、相手の話を聞き、意見をまとめ、そして人前で発表するというグループ討論の目的も学びました。

 座学の講義以外にもグループワークとして「NASAゲーム」や「チーム対抗の運動ゲーム」を行い、チームで協力して物事を解決していくことの大切さを学び、はじめは緊張して硬かった新入社員の表情も、少しずつ和らいでいきました。

 そのほかにも「マナー教室」では、あいさつ、言葉づかい、応対などのビジネスマナーについて学びました。そして最後に3日間の研修で学んだことを決意表明文として作成し、発表を行いました。参加者は今回研修した内容をしっかりと受け止め、これから社会人になるにあたっての熱のこもった決意を発表して研修会は終了しました。

「中小企業家しんぶん」 2017年 4月 15日号より