熊本地震から1年―創造的復興は理念経営で【熊本】

 昨年4月14日に発生した熊本地震から1年を迎え、熊本同友会は復旧・復興に向けて前進しています。小屋松・早咲両代表理事からのコメントを紹介します。

 2016年4月14日、16日に発生した熊本地震から、はや1年。4200回を超えた震度1以上の地震は今も続いています。

 全壊・半壊合わせて約2万8000棟の被災家屋の解体工事が進む中、うち何割が新築着工に向かうのか定かではありませんが、人手不足・コストの負担増という課題を抱えながらも復旧・復興需要が徐々に旺盛さを増しています。

 一方で、「九州ふっこう割」が終了した観光・サービス業においては停滞感が出ています。とはいえ熊本県内の各種経済指標は概ねプラスで推移しており、今後の復旧復興需要とともに

さらに県内景気は回復が進むと予想されます。

 そのような中、熊本同友会においては、支部単独の活動に代え合同支部例会を開催。7月に兵庫同友会の田中信吾代表理事を、9月に岩手同友会の田村滿代表理事をお招きし、お2人の報告から勇気と復旧復興に向けての覚悟をいただきました。会内の活動も徐々に回復し、11月には270名の参加で「第19回経営研究集会」も開催することができました。さらに、一度は諦めかけた「13年連続会員純増」ですが、「自主・民主・連帯」の同友会精神が見事に結実し、期首会勢1027名から11名増の1038名会員で定時総会を迎えることになりました。これは会員の努力の成果であることはもちろんですが、地震直後から寄せていただいた全国の仲間の熱い応援が原動力となったことは言うまでもありません。

 2017年度スローガンは、「『創造的復興は理念経営で』~学び、気づき、そして実践~」です。理念経営で地域にあてにされる企業づくりは、自社で実現可能な地域貢献ですが、1000名超の会員を擁する熊本同友会に対する周囲の期待はそこに止まりません。同友会理念の3つ目の柱、「国民や地域と共に歩む中小企業」の実践に取り組む段階に入ったことを実感しています。 4月中には、熊本学園大学との包括連携協定、および県内4信金との包括協定を締結します。産官学金連携による持続可能な地域づくりに、熊本同友会が主体的に関わっていく契機になるものと確信しています。

 最後になりましたが、全国同友の皆様からいただきました数々の熱いご支援に対し、深く感謝申し上げ、熊本地震から1年の報告とさせていただきます。

熊本同友会代表理事 小屋松 徹彦 早咲 京子

「中小企業家しんぶん」 2017年 4月 15日号より