日本が100人の村だったら―家族の類型

 2015年の国勢調査で「世帯の家族類型」を見てみると、世帯総数は約5,333万世帯。これを100世帯の村だったとして見てみると、日本における家族構成の実態がわかります(表1)。

 夫婦暮らしが20世帯、夫婦と子どもで構成されているのは27世帯、母子家庭や父子家庭などの世帯は9世帯、核家族以外の世帯が9世帯、いわゆる1人暮らしの単独世帯は35世帯です。100世帯のうち子どもがいる世帯は41世帯で、そのほかの59世帯は子どもがいない世帯です。子どもがいる世帯は少数派となっています。また、夫婦と子そして親と3世代で暮らしている世帯は6世帯、核家族といわれている世帯や子供がいる世帯は年々減少しており、サザエさんのような家は少なくなっています。

 この状況がもっとも顕著に現れているのは東京都。東京都を100世帯の村としてみてみると、夫婦のみの世帯は17世帯、夫婦と子どもからなる世帯は23世帯となっています。子どもがいる世帯は32世帯となっており、3世帯に1世帯しか子どもがいる家庭がないことになります。東京都で特に顕著なのは単独世帯で47世帯。ほぼ半分近くが1人暮らしです。学生などが多い首都圏では率が高くなる傾向がありますが、最近では高齢者の単独世帯も指摘されています。

 世帯構成は世帯の消費行動に直結しています。自分の地域の家族構成の割合を確認しておくことも重要なことです。東京都で家族向けの商品やサービスを提供するよりは、1人暮らし用の商品・サービスを提供したほうが市場としてはありそうだという判断もできます。世帯構成を踏まえた地域や社会への貢献をすることで、より地域や顧客と密着した企業づくりを実践することができます。

「中小企業家しんぶん」 2017年 9月 25日号より