ライフワーク(趣味)は同友会での学びを実践すること! (株)KSP 代表取締役 三角 武一郎氏(埼玉)

【採用と教育】第10回

(株)KSP代表取締役 三角武一郎氏

 「採用と教育」をテーマに各社の取り組みを紹介する連載の第10回。今回は、埼玉・東京・神奈川を中心にスーパーから競技場など幅広く警備業を営む(株)KSP代表取締役の三角武一郎氏(埼玉同友会会員)に自社と同友会での取り組みを聞きました。

 (株)KSPとは経営理念でもある「Knowledgeablein Security and Protection(安全を守るプロ集団)」を意味しています。同友会には2010年に入会し、同友会理念や「労使見解」の精神に共感。以来、同友会で学んだことはすぐ実践しています。

 正社員は40名で平均年齢は45歳、パート・アルバイトを含めると全従業員数は488名になります。警備業の根幹は人です。事業を拡大するためには人の継続的な採用は欠かせません。

 わが社の特徴として、サッカーなどの競技場警備ではリーダーを決めることから警備計画までアルバイトに任せています。社員は当然付き添いますが、グループ内で自立的に動いてくれます。また、正社員の社員教育の研修は同友会の社員教育研修を活用し、今年度は「すべての幹部社員は同友会で学び実践すること」を企業の方針としました。東京と埼玉の支社長は入会し、地域の経営者に学びながら、イキイキと働いています。同友会で学ぶことが一番の教育だと思います。

地域に中小企業の魅力を伝える

 全国で採用難が課題となっています。これまでの合同企業説明会では学生が集まりません。今年から共同求人委員長となり、時代に左右される委員会と痛感しています。

 埼玉同友会では地域に人を残すことを目的に、学校との連携を推し進めています。今年度は前期で高校・大学への出張授業を行い会員企業12名が報告しています。中小企業の魅力を伝え、長期的な視点で採用につながればと考えています。また、共同求人委員会の目的と意義を改めて考え直すために、委員会では学ぶ活動を方針に位置づけました。ただ人を採用して終わりではありません。地域における中小企業の役割を改めて考えたいと思います。

学んで実践

 (株)KSPは動物園のような会社と言われます。自由奔放で多様な人材がいると私も思いますし、これからも尊重したいです。できる・できないではなく、いかに社員のやる気を引き出すかという環境を作り出すことが大事です。経営理念を元に社員一人ひとりが何のために働くかを考えられる会社になれば、社員もおのずと増えていくのではないでしょうか。

 そのためにも同友会で学んだことをいかに自社で実践しているかが重要です。私は趣味と言っていいほど実践していると自負しています。最近では社員と個人面接を初めて行いました。意外な意見についつい時間を延長して耳を傾けていました。

 同友会で一番学んだことは経営姿勢の確立です。人を採用し教育する上でも、夢の持てる未来を語り、責任の持てる経営者でありたいと思います。

「中小企業家しんぶん」 2017年 10月 5日号より