10年ビジョンで社員と未来を~経営フォーラムを開催【栃木】

 9~11月には多くの同友会で経営研究集会・経営フォーラムが開催されています。10年ビジョンについて学びあった栃木同友会の経営フォーラム2017を紹介します。

栃木同友会経営フォーラム

 9月8日、栃木同友会の「経営フォーラム2017」がベルヴィ宇都宮を会場に開催され、オブザーバーを含め総勢91名が集いました。

 栃木同友会の経営フォーラムは過去にも開催されていましたが、数年間のブランクを経て昨年度より復活。会員間の交流と新会員の増強を主眼に2年連続の開催となりました。

 今年度のテーマは「10年ビジョン~社員と笑える未来をつくる~」です。先に中同協より発行された『経営指針成文化と実践の手引き』で謳(うた)われた「10年ビジョン」をキーワードに、未来を見据えた経営のあり方について話しあいました。

 基調講演の報告者はケミカル産業(株)(山形)と東洋産業(株)(宮城)の代表取締役を務める玄地学氏。玄地氏は宮城同友会副代表理事ならびに中同協経営労働委員会・副委員長を兼務しています。

 先代が興した清掃・食品衛生資機材を扱うケミカル産業に入社した玄地氏は、床用ワックスの市場縮小による業績の低迷や、ライバル会社だった東洋産業の倒産に伴うM&Aによる経営再建などを経験。生き残りをかけ、社員も巻き込んだ経営再建に取り組み、これまでの卸売業から「総合衛生プロデュース業」に転換し、地域社会への貢献も視野に入れた新たな方向性を打ち出しました。

 宮城同友会の経営指針を創る会に参加して10年になる玄地氏は、自社の経営理念を模索する中で新たな事業領域「総合衛生プロデュース業」を見いだし、自社ブランドの開発につなげます。そのとき教科書になったのが中同協発行の『企業変革支援プログラム』でした。社員とともにステップ1およびステップ2を確実に実践。自社の経営課題がピンポイントで把握できるようになり、的確な改善策が導き出せたといいます。

 およそ80分におよぶ報告の後、玄地氏が投げかけた問題提起の1つ「これから10年、戦える指針書になっていますか?」をテーマにグループ討論を行い、自社の10年ビジョンについて考えを深めました。

 基調講演後の懇親会では、今回の集いをきっかけに入会した3人の仲間へのバッジの授与式も行われるなど、収穫の多い経営フォーラムになりました。

「中小企業家しんぶん」 2017年 10月 5日号より