金融行政方針と地域金融機関の対応について学ぶ研修会を実施【京都】

京都同友会

 京都同友会では、昨年10月に金融庁が発表した「金融行政方針」のもと金融当局自身の変革や地域金融機関の取り組み内容について学ぶ研修会を、9月13日に開催し、会員経営者、経理担当者など計68名が参加しました。

 まず、財務省近畿財務局京都財務事務所理財課長の榊英男氏から、金融行政方針の概要について説明が行われました。ルール重視、厳格な個別資産査定中心の検査、法令遵守確認の徹底という金融庁発足当時の検査・監督手法を見直し、資産査定における金融機関の判断の尊重、担保・保証に過度に依存しない事業性評価に基づく融資の促進に向けた取り組みと地域銀行における事業性評価に基づく取り組み事例および企業から評価される地域金融機関の取り組みが述べられました。

 次に、京都銀行公務・地域連携部次長の福岡亮氏からは、積極的なコンサルティング機能の発揮により、中小企業者の経営の安定・成長発展を支援し、地域経済の活性化に貢献するという基本方針のもとに行われている取り組み事例の紹介と対応が述べられました。

 京都中央信用金庫審査部部長の中川勝氏からは、取引先の企業価値向上に貢献し、将来の顧客基盤を強固なものにするという事業性評価の目的とその説明、深度ある対話により財務諸表には表れずに見えにくい経営資源を見いだし、取引先の根本的な問題や課題を共有し、有為なソリューション提案を行う取り組みが述べられました。

 最後に、京都信用金庫企業成長推進部部長の織田昌志氏からは、金融サービスを通じて地域との絆を育むことを重要な役割と考え、取引先企業の経営改善や事業拡大に積極的に支援するという取り組み方針のもと、業績評価制度を見直し、これまでの実績主義の評価からプロセス重視に改めた具体的な取り組み事例が述べられました。

 このあと活発な質疑応答、意見交換が行われ、参加者からは「自社の経営改善の必要性をあらためて感じ、地域金融機関が地域企業の育成に力を入れる方向にあることがわかった」との感想が寄せられました。

 この研修会は、地域の金融機関と中小企業経営者の相互理解を深めることで関係を強化し、地域の発展という共通価値の創造を目指す端緒となるもので今後の諸活動の展開に生かしていく方針です。

「中小企業家しんぶん」 2017年 10月 25日号より