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事業承継のポイント~釜堀税理士事務所 税理士 釜堀 隆司

【連載 福岡事業承継塾 第3回】

福岡同友会 釜堀隆司氏 

 全国で企業経営者の高齢化、後継者不足が課題となっています。福岡同友会では事業承継に必要なさまざまな課題を系統的に学べるよう2012年から事業承継塾と題した勉強会を開催しています。第3回は事業承継のポイントについて紹介します。

 中小企業庁が作成している「経営者のための事業承継マニュアル」より抜粋し、

 (1)経営者の高齢化が進む背景には後継者不足があり、今後10年間は十分継続していけるビジネスモデルであっても後継者が見つからないため廃業を余儀なくされる企業も増えていく危機に直面していること。
 (2)事業承継の準備、計画、実行のステップにおいて、親族内・従業員承継の場合でも、M&A等社外への引継ぎの場合でも、「経営状況・経営課題等を見える化すること」、次に「事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)を積極的に実施すること」がいずれにも必要であること。
 (3)事業承継に伴うさまざまな課題の中で、特に経営権の分散防止策を早めに講じること。

 などを挙げ、適用要件がやや緩和された課税上の特例も併せてご報告しました。

 今回フォーカスした内容は、「経営者の相続税対策は自社株対策」です。

 報告の中で、次の2つの質問をしました。

 Q1 株式の後継者への移転はどれくらい進んでいますか?
 Q2 自分の会社の株価がいくらになっているか毎年確認していますか?

 事業承継は、a人(経営権)、b資産(株式・事業用資産・許認可など)、c知的資産(経営理念・信用力・人脈・ノウハウなど)を後継者に引き継がせることですが、極論を言えば、自社株を後継者に移動し発行済株式総数の3分の2以上を保有させることにほかなりません。

 創業から堅実な経営を行い適正に納税も行ってこられた会社では、自己資本比率が増加し揺るぎない経営基盤を築かれていることと思います。しかしそれと裏腹に、自社株の評価額が増大し、事業承継すなわち後継者などへの自社株の移動を困難にしている実情があります。

 ここで再確認していただきたいことが、3つあります。

 (1)会社の支配は議決権の3分の2以上あれば足ります。同族で100%保有にこだわらず、安定株主を確保し保有株数を抑えられないか検討しましょう。
 (2)相続税法上の株式の評価方法は複雑ですが、その評価方法を少し知ることにより、どうすれば評価が下がり後継者に移動しやすくなるのか、その方策が見えてくると思います。
 (3)組織再編税制などを活用し、現社長や社長ご一族が株主として経営を見守り、事業自体は資質の伴った他人の後継者にお任せするのも検討してみてください。

 事業承継は最短でも10年はかかると言われます。早めに顧問税理士など複数の専門家に相談し、自社における最適な事業承継のあり方を考え抜き実行に移してください。

「中小企業家しんぶん」 2017年 11月 15日号より

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