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地域企業が成長する力と環境をいかに育むか~東温市中小零細企業現状把握調査報告会【愛媛】

 11月2日に愛媛県東温市で、2013年3月に制定された「東温市中小零細企業振興基本条例」の取り組みの1つとして行った「事業所現状把握調査(対象:約1300社)」の調査結果に基づくシンポジウムが開催されました。これは、東温市が主催し、愛媛同友会もかかわっている東温市中小零細企業振興円卓会議が共催したものです。シンポジウムの第1部は報告会、第2部は、「地域企業が成長する力と環境をいかに育むか」というテーマでパネルディスカッションが行われ、94名が参加しました。

 第1部では櫻本健・立教大学経済学部准教授から調査結果概要について、菊地進・立教大学名誉教授から調査結果の詳細について報告がありました。印象的だったのは、経営指針などの有無別調査結果を見ると、売上高DIに顕著な差が表れ、経営指針が無い企業の売上高DIはかなり低くなっていた点です(表1)。利益DIについても同様に大きな違いが見られます(図1)。項目別に見ると、経営指針などの有無別調査で着目すべきは「はい」と答えた企業は売上増が多く、「いいえ」と答えた企業は売上減が非常に多い点です。「経営指針作成の有無別事業所の成長見通しDI」を見ても、経営指針の有無で「はい」と答えた企業の成長見通しが圧倒的に高いことが確認できます(図2)。

 第2部は、コーディネーターに岡本隆・愛媛大学社会共創学部教授、パネラーに植田浩史・慶応義塾大学経済学部教授、越智俊充・東温市商工会長、山本尚史・拓殖大学政経学部教授、米田順哉・愛媛同友会専務理事、和田寿博・愛媛大学法文学部教授、また報告者の菊地氏、櫻本氏も登壇しました。植田氏からは条例についての説明と、人材について企業2社の実践事例。越智氏からは事業者の立場から条例をどう見てどのように活用していくか。山本氏からはエコノミックガーデニングについて条例をどのように用いるか。米田氏からは調査結果を受けてよい企業づくりをどのようにしていくか。和田氏からは松山市の円卓会議から見て東温市の条例をどう見るかなど、それぞれの立場からさまざまな意見、問題提起がありました。「地域企業が成長する力と環境」を育んでいくためには、その方策を理念に基づく方針や計画にしっかりと位置づけなければ進めていくことはできません。「よい会社・よい経営者・よい経営環境」をめざしていくためにもやはり経営指針が必要であると再認識しました。

 山本一英・東温市産業建設部産業創出課長は「今回の調査結果を受け、東温市の事業所のためにやるべきことがたくさんある。この結果を真摯(しんし)に受けとめ、東温市全体で取り組んで参りたい」と語っていました。同友会としても、東温市のみでなく、行政とともに、「よい会社・よい経営者・よい経営環境」をめざして歩んでいかなければならないと決意を新たにしたシンポジウムでした。

東温市中小零細企業現状把握調査報告会

「中小企業家しんぶん」 2017年 11月 25日号より

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