地道な行政との信頼関係づくりが政策活動推進の大きな力にー政策担当事務局員研修交流会を開催【中同協】

 11月15日午後、2017中同協・政策担当事務局員研修交流会が開催され、14同友会と中同協から19名が参加しました。

 石渡裕・中同協政策委員長のあいさつの後、「同友会の政策活動の考え方、政策担当者の役割~『中小企業政策読本(案)』のポイント」をテーマに中同協事務局の瓜田靖氏が報告しました。中小企業の定義といったイロハから、政策についての考え方や「要望・提言」の作成から行政との関係づくりなどについて紹介がありました。「中小企業は地域でがんばっているからこそ、地域経済を支え、安定させている。それを行政や大企業が妨げている場合があるから経済民主主義を貫く必要がある」と、同友会の政策活動の意義を強調しました。

 また、千葉同友会専務理事の川西洋史氏は、行政との関係づくりにおいて常に中小企業のイメージアップを意識し、産業連関分析などのデータを活用した勉強会や提言などを積極的に行い、政策活動を推進してきた千葉同友会の政策活動の事例を報告しました。行政担当者は数年に1度異動があり、都度関係性を築くことは大変な面もあるが、同友会の理解者が異動によって広がり、縦割り行政を越えた関係づくりにつながっていることを指摘、「地道な行政との信頼関係づくりが政策活動推進の大きな力になる」と参加した政策担当者へエールを送りました。

 参加者からは「要望・提言によって実現した施策を活用している企業の割合はわずか。周知して活用企業を増やしたい」、「『読本(案)』で投げかけられている姿勢は政策担当者だけでなく、同友会事務局員がめざす姿勢でもあるので、全員で学ぶ機会をつくりたい」といった感想がありました。

 さいごに、神奈川大学名誉教授の大林弘道氏(中同協企業環境研究センター顧問)からは「同友会運動の本命は中小企業の声を集め、まとめること。データを構築していくことで理解力、提案力を鍛えていきましょう」と同友会の政策活動に対する期待が寄せられるなど、今後の展開へ勇気づけられた交流会でした。

「中小企業家しんぶん」 2017年 12月 5日号より