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歴史を辿るPART3 日本中小企業家同友会の創立と「自主」・「民主」の精神の確立

東京同友会創立60周年記念事業 「60年史」編纂プロジェクト

 東京中小企業家同友会は創立60年を迎えました。同友会が生まれた経緯と3つの目的の確立まで連載します。第3回は同友会の創立と初期の活動、「自主」・「民主」の精神が確立されるまでを紹介します。

 日本中小企業家同友会は戦後の「中小企業団体組織法」など中小企業再編の激動の中で、「自主」「民主」を掲げ、新しい中小企業運動をめざそうと1957年に創立されました。初期の活動は独占禁止法や中小企業基本法問題など、中小企業にかかわる諸問題などについて政策提言を行うなど、ほかの経営者団体と比べても極めて特色ある活動に取り組みました。そして、1959年の東西同友会の「箱根会談」において同友会の基本理念の1つである「自主」「民主」が形作られます。

1、日本中小企業家同友会の創立

 1957年4月26日東京赤坂プリンスホテルにおいて出席者35名、会員数70名によって「日本中小企業家同友会(1965年第10回定時総会で東京中小企業家同友会と改称)」は創立されました。創立趣意書を読むと、一連の中小企業再編の攻防に対する先輩たちの熱い息吹きが伝わってきます。まず冒頭で「我等の会は中小企業家の、中小企業家による、中小企業家のためのものであることを宣言」し、「『天は自ら助くるものを助く』の自覚を新たにする」とうたっています。

 また会運営における「沈滞とボス化」をさけるための民主的運営の提起、他団体との「共通の問題に当面したときは、対等の立場で協力し合う」ことや「政治的には特定の党派に偏することなく、あくまでも中小企業家の利害に基き」とその姿勢を明らかにしています。

 そして、日本経済の主役としての誇りを持ち、市場、金融、税制等の諸問題や労使間の紛争の解決こそ重要であると考え、「自主」「民主」を掲げ、大物や権力に頼らず中小企業家が結束し、他団体とも連携し、これらの問題を解決していく新しい中小企業運動を展開していこうという力強い決意がみなぎるものとなっています。この趣意書の内容は、同友会運動の基調、同友会理念の基礎となるものです。

2、初期の活動

 日本中小企業家同友会の創立初期の活動は、金融、税制、下請、労使問題、東西貿易(日中貿易)の促進など、中小企業に特徴的に見られる諸問題の解決をめざしていました。しかし、当時の政治・経済状況、会勢からくる制約もあり、その取り組みは、主として中小企業への施策や、社会的問題に対する主張の表明、陳情、声明発表などの手段による対外的な活動に向けられがちでした。

 そのような中で独占禁止法や中小企業基本法問題など、中小企業全体の利益擁護と経済民主主義の実現をめざした活動は、ほかの経営者団体と比べても問題の指摘の先見性、問題の理論的解明、いち早い課題の提起など極めて特色ある提言活動を進めてきました。

3、自主・民主の精神の確立

 日本中小企業家同友会創立2年後の1959年9月11~12日の両日。箱根において関西中小企業家同友会(相互の名前は期せずして同じだった)との合同懇談会(いわゆる『箱根会談』)が開催され、共同声明「中小企業運動の新しい発展のために」を発表しました。

 そこでは中小企業運動が危機にあることを指摘し「われわれはここに自覚せる中小企業家の団結を新たにし、中小企業の繁栄に向って前進せんとするもの」と強調し「そのために特に次のことを同憂諸子に訴えたい。第1に中小企業の地域別、業種別その他すべての数多き団体の民主化と自主性を確立すること」を求めました。全中協から受け継ぎ、日本中小企業家同友会に継承された「自主」「民主」の精神はこの東西同友会の声明によりはっきりと形作られたのです。

 次回は「自主」「民主」「連帯」の意味です。ご期待ください。

東京同友会専任理事 松林 信介
(『月刊中小企業家』2017年11、12月号より転載)

「中小企業家しんぶん」 2018年 3月 15日号より

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