学生とともに創る共同求人活動 課題解決型学習として企業情報誌を作成【京都】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】76

 各同友会のさまざまな実践事例を紹介するシリーズ「変革と挑戦」。今回は京都同友会の共同求人活動と鹿児島同友会のダイバーシティー部会設立を紹介します。

 2017年度、京都同友会の共同求人活動では、毎年作成している企業情報誌「京都・滋賀しごとNavi」を京都文教大学の授業の1つであるPBL(課題解決型演習)で学生と協力して作成しました。

 昨年度は、同大学生からの合同企業説明会の評価・改善提案を受け、学生目線での合同企業説明会づくりを行いました。それに引き続き2年目の取り組みとなります。

 近年人材不足は中小企業にとって深刻な経営課題になっています。その反面学生は売り手市場。大手志向も昨年より高まってきています。それならば、主体者の学生と共同で、彼らの目を引くような、ニーズに合った冊子を作ろうというのが今回の試みでした。

 学生には経営者への取材・記事作成や、全体レイアウトへの提案、昨年の冊子からの改善点ピックアップなど幅広く取り組んでもらいました。学生の視点に注目すると、経営者の想像する学生目線と実際の学生目線には差があり、読み手とともに作る意義がありました。

 誌面の質問項目は学生が考え、「経営者の人柄をもっと堀下げ、身近に感じてほしい」「雰囲気をもっと優しく手に取りやすいものに」「就職活動に使えるように自己分析のページを入れたい」など学生ならではの意見が出されました。

 働き方についても注目が高まっており、学生が企業を見る目線は厳しくなっています。今年3月に行った合同企業説明会では、「わが社の人を生かす経営」と題し、学生に当会企業の取り組みについてアピールしました。理念・社風・研修などさまざまな掲示があり、来場した学生が「同友会らしさ」に目を留めている姿が見られました。

 来場した学生からは、「人を大切にしている企業に行きたい」「自分の力を発揮できる環境があること」など企業の受け入れ体制を重視する声も多く聞こえてきました。

 各自社ブースで対応した会員は一目で経営者と分かるようハッピを着用しました。就職活動が解禁されたばかりで、自分がどう働きたいのか定まっていない学生が多い中、中小企業で働く魅力や学生の不安に相談に乗るなど、自社PRだけに留まらない、同友会ならではの合同企業説明会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2018年 4月 5日号より