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経営指針・共同求人・共育は三位一体 サン樹脂(株)代表取締役 磯村 太郎氏(愛知)

【採用と教育】第13回

 「採用と教育」をテーマに各社の取り組みを紹介する本連載。今回は磯村太郎・サン樹脂(株)代表取締役(愛知同友会会員)の自社と同友会での取り組みを紹介します。

採用に悪戦苦闘 ―経営姿勢の確立

 サン樹脂(株)は、プラスチック・樹脂の工業用部品加工を小ロット多品種で行っています。1996年、27歳のときに父が創業した会社に入社しました。

 入社してまず驚いたのが、社員の高齢化です。若い人を採用しなければ会社の未来がないと思いました。自分の仕事は、新規受注の開拓と採用活動だと考え積極的に動きました。入社してから10年経った2006年には新工場と事務所を新築し、3名を採用しましたが、1年もたずに次々と退職していきました。このときの採用基準はとにかく若くて根性があること、だけでした。

 同友会に入会したのもこの頃です。これまで、辞めていく人間に問題があると思っていましたが、会社に問題があるということに気がつきました。退職した社員に「仕事も給与も職場環境にも不満はありませんが、この会社は嫌いです」と言われ、ほかの社員からは経営者の姿勢や採用基準の曖昧さを責められたことがきっかけです。

 自分の思いは何も伝わっていない、何とかしなければと2007年に経営指針を作成しましたが、作ったものの納得できず、机の引き出しにしまいこんでしまいました。

 ある時、愛知同友会の「共育講座」に参加した社員に、「経営指針はどこにあるんですか」と聞かれました。社員も真剣に会社の将来を考えてくれている、そういう意見を聞く場が社内になかったことに気づき、経営指針の作成に再度取り組みました。そのときに学んだのは、社員をパートナーとして考えること、そして何より経営者の姿勢の確立が不可欠だということです。

経営指針・共同求人・共育を実践

 それから、新卒採用のために共同求人委員会に参加しました。初めての合同企業説明会でのことですが、十分な準備もせずにブースを出し、会社案内は学生用に作成したものではなく、お客様用のパンフレットを使用。結果は惨敗で、自社のブースに学生は足を運んでくれませんでした。幹部社員の、「うちの会社はこんな会社じゃない。会社のいいところを伝えれば学生は絶対来てくれる」という言葉に励まされ、経営指針の社内共有、そしてその理念を学生に伝え、少しずつ社員が増えてきました。現在は、共育の観点からめざす人物像、行動指針、仕事内容が多岐に渡るため仕事を分解したマニュアルの作成に取り組んでいます。

 毎年、経営指針書には、明確な将来像や課題を盛り込み、悩みが生じたときにはまずそこに立ち返ります。経営指針・共同求人・共育の実践がなければ、企業の継続的な発展は不可能だと思います。

サン樹脂(株) 会社概要

設立:1978年
従業員数:42名
資本金:900万円
年商:6億4000万円
事業内容:機械・装置用などのプラスチック・ゴム・金属部品の製造

「中小企業家しんぶん」 2018年 5月 5日号より

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