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人生見逃しの三振をするな (株)ノーブルライフ 代表取締役 賀本 裕則氏(鳥取)

経営問題・顧客ニーズ・社員の生きがいは足もとにある!

賀本裕則社長

事業開始まで

 1967年生まれの満50歳です。勉強はできませんでしたが、野球少年でプロ野球を夢みていました。結局地元に帰り、転々と仕事を変える中、書籍『金持ち父さん貧乏父さん』に感銘を受け、経営者になろうと決心しました。

 売掛金の回収が100%可能、毎月売り上げ見込みが固い業種、成長産業であることなどから、介護事業の仕事をしようと考えました。自宅のリビングを事業所として申請して許可をとり、夫婦とアルバイトで2005年5月に法人設立、同年9月よりデイサービスをスタートさせました。

事業開始当時

 売り上げを重視するあまり、利用者によりよいサービスを提供するなどとは考えていませんでした。もちろん売り上げは上がらず、資金はショート寸前でした。

 そんな時、ある方から「会社の状況がよくないから、応援歌をあげる。私は事業に失敗したけど、あなたはがんばってほしい」と言われ、広告の裏に書かれた炭坑節の替え歌「我ら人生60から」をプレゼントしてくれました。これをもらって、自分の恥ずかしさを痛感し涙が止まりませんでした。

 私は「介護の仕事を自分の天職にしよう。そして、この業界で一番になる」と決心し、100店舗展開をめざしました。利用者さんに喜んでもらえることを実践して、少しずつ利用者が増えてきました。

同友会入会そして経営指針成文化

 当時の鳥取同友会代表理事に勧められて入会し、「経営指針を創る会」をすぐに受講しました。目標や目的を明確化して見えてきたのは、100店舗の展開には「時間がない」ということ。利益目標を立てて計画をつくる中で、一番大切なことは、日付を入れることと時代の変化に伴い常に修正をかけていくことだと感じました。

 金融機関・協力会社・取引会社も「経営理念」を重要視します。同友会の良い所は、しっかりとしたテキストに基づき、会員の実践例に学びながら6カ月間(鳥取の場合)というスピードで成文化できることです。しかし、いくらよい理念ができても発信しなければ、ないのと一緒です。社内へはもちろん社外へも発信しなければ何も伝わりません。

「ありがとう」をセンターピンに

 事業が成功するかどうかをボーリングに例えるとストライクを取ることです。そのためには常にセンターピンを意識します。わが社のセンターピンは本物のニーズである「ありがとう」です。

「ありがとう」の積み重ねが利益につながります。なかでも社員からの「ありがとう」が大切で、会社の周りに「社員」がいて、「取引先」「顧客」があり、そこに「地域」がある。すべて人であるととらえています。

 利用者の家族からのニーズは、(1)年金内で支払える低料金設定、(2)認知症の対応など。また社員のニーズは、(1)有給休暇取得率100%、(2)人事考課に基づく賞与などです。それらの実現を掲げ、すぐできるところから徐々に実践しています。

 職員の離職率は少ない時で1・7%。職員の40%が60歳以上です。老人ホームの入居率はすべての施設で100%、稼働率は93%~98%、平均介護度は2・3~3・5、労働分配率は40~56%の間です。

苦しい時こそ逃げない

投薬管理の仕組み

 老人ホームは通常施設完成後に内覧会などを行い、リストを作成して入居をすすめるのですが、私は建設中から図面をもって病院などへ営業に回ります。そして、22人定員の1軒目の老人ホームを建てる際、オープン時には120人の入居申込書をいただくことができました。すぐに入居できない100人分の入居申込書と建設計画書とで、また2軒目の老人ホームの融資が決まりした。時間はかかっても、「こんなことがしたい」と発信し続けることで夢は実現していきます。

 ビジネスとは無期限のリーグ戦です。これから辛いことがあってもチャンスととらえ、どんなボールがきても食らいついていこうと思っています。

第48回中小企業問題全国研究集会 第9分科会報告より

(株)ノーブルライフ 会社概要

設立:2004年
資本金:300万円
社員数:101名(うちパート・アルバイト47名)
年商:5億2,000万円
事業内容:高齢者向け介護事業全般
URL:http://www.noblelife151a.net/

「中小企業家しんぶん」 2018年 5月 25日号より

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