なぜ112名入会(純増91名)の会員増強ができたのか!

【2019年5万名会員達成を】

福岡同友会代表理事・増強推進本部 本部長 田浦 通
福岡同友会増強推進本部 副本部長 納富 輝子

 中同協では設立50周年となる2019年へ向けて全国会員数5万名達成を掲げています。各同友会では増える組織、減らない組織に向けたさまざまな取り組みが行われています。昨年91名の会員増強に取り組んだ福岡同友会の事例を紹介します。

 中同協50周年に向けて、福岡同友会は2500名の会勢目標を理事会で決議しました。しかし、期限が迫ってくるにつれ、これまでのやり方では達成できないのではないかと強く危機感を抱いていました。

 そこで、これまで2名体制だった増強推進本部に、元気のいい納富輝子さん((有)一柳専務取締役、福岡同友会会員)に副本部長になってもらい3名の新体制にして、戦略の見直しを図ることにしました。納富さんは、205カ月連続入会記録(2018年5月現在)を更新中の福友支部所属です。

 そして今後の増強戦略を協議するなかで、ゲストに会の存在を知ってもらわないと増強は始まらない、また会員が主体者となって自発的に活動する仕組みや、会全体の機運を盛り上げる雰囲気づくりが必要であるとの結論にいたりました。

中小企業家同友会の知名度を上げるために

 「同友会って知ってる?」と尋ねると、「経済同友会?」と答える人がほとんどでした。そこで、中小企業家同友会を広く知ってもらうことが大事ではないかと増強推進本部で話しました。知名度が上がれば、ゲストを誘いやすいのではという意見で一致し、3つの取り組みに着手しました。

 まず、広報情報化推進本部と協力し、月刊同友(会報誌)に知事・各市町の首長や行政関係、金融機関のトップなどに、同友会の魅力の推薦文(お墨付き)を書いていただき、同友会の信頼性を上げました。

 また、月刊同友に会員募集チラシをはさみ、金融機関・行政他団体・女性センターなどに毎月配布し、一般の人にも広く知ってもらうようにしました。

 さらに、地元のFMラジオで番組を作り、10カ月計80名の会員に毎週2人ずつ登場してもらい経営者としての考え、社員とのかかわり、社員をパートナーと考える同友会に入会して自身が変わったことや、同友会に入会して救われたことなど、経営者の視点で熱く語ってもらいました。また、一般のリスナーにも「中小企業の社長さんってこんなことを考えているんだな」、とより身近に感じてもらうことで、雇用にも繋がるのでは…と考えて番組を運営しました。

 地元のラジオ局なので、放送エリアが狭いという弱点はあるものの、受益者負担で賄い、同友会に負担をかけることなく運営ができました。そして、その弱点を補うために出演者にはお客様や友達に、番組のアプリやユーストリームなどをSNSで拡散してもらい、同友会のことを広く知ってもらうきっかけとしました。

 このような活動を通して確信したことは、さまざまな情報を発信することで多くのゲストに同友会を知っていただいたことは元より、社会に広く認知された団体として会員が同友会運動に誇りと自信を持ってもらえたことが、増強活動のモチベーションアップにつながったものと思います。

機運を高めるために「2020年2500名」

 「楽しく達成しよう!」と私達増強推進本部では、会員の機運を高めるため、毎月の理事会で入会率や入会数に応じて、支部・個人の表彰をしました。さらに2020年3月末までに、2500名にすることを提案しました。

 同時期に中同協では「5万名達成目標なんです!」と中山英敬・中同協幹事長に熱く語っていただき、皆が賛同してくれるという機運になった時は、胸が熱くなりました。

 共通の目標を達成するために、さまざまなツールをつくりました。なぜ入会が必要かのチラシやポスター、フラッグを作り、会員のベクトルをあわせました。

また、支部長には協力要請を直接電話するなどし、増強担当役員にも共有メールで熱い思いの文章を、増強本部長名でメールしました。

 さらに、年度の終盤では増強月間をもうけ、増強本部3役が各地区・支部の役員会や例会に出向き入会要請のアピールをしました。

その結果…

 知る会の開催を増やす支部も次々に出てきたり、支部例会を合同で開催して、たくさんのゲストを集めたりしました。また、女性会員が増えて活気づいた支部も出てきました。だんだんと気運の高まる兆しを感じることが出てきたことが増強3役としてうれしい瞬間でした。

2018年度の取り組み

 各支部から選出された増強担当役員が増強推進本部にたくさん出席して、全県一丸となった協力体制を構築することが大切だと考えます。増強担当役員は各支部とのパイプ役として最も大切だと感じています。

 また、そのためには支部長のサポートや理解が必要で、それが大きな力になっていくのではないでしょうか。そして、同友会の素晴らしさを伝える「語り部」をどんどん増やしていくことが今後の課題と捉えています。

 今期は、(1)新入会員が会に馴染むような仕組みとして、メンター手帳の活用を拡げる。(2)参加されたゲストの入会率20%を30%アップにするクロージングの仕組みづくり。(3)ブログなどの活用による、ゲストの参加募集の仕組みづくり。(4)「私にもできる増強虎の巻」「仮入会制度」のルール作りと運用。(5)増強研修開催による増強への意識の高揚。(6)経営者フォーラムに200名のゲストをお招きし、そのうち100名の入会を目標とする。(7)休眠会員への対応を検討。

 以上(1)~(7)を大きな柱として活動をしていきます。

 また中同協九州・沖縄ブロックでは、会員増強の統一ポスターを作成しました。九州・沖縄は1つという合言葉の元、全会員企業と九州・沖縄の金融機関や公的機関、経済団体に1万3000部のポスターを貼っていただき、大いに入会への機運を盛り上げます。

福岡県を日本一 中小企業が元気なまちに!

 福岡同友会増強推進本部では「福岡県を日本一 中小企業が元気なまちに!」のスローガンのもと、(1)盤石な経営をするため、経営指針書を持った会社を増やす、(2)社員と経営者が共に高めあう関係にし、働く喜びを感じる社員がいっぱいの会社づくりをする、(3)若者が地元で働きたいという魅力的な中小企業にし、若者がいっぱいのエネルギッシュなまちにしよう! という活動に賛同していただける中小企業の経営者が1人でもいたら、中小企業家同友会に入会していただき、同じ志のもと、「この福岡のまちを元気にしょう!」という運動を展開しています。

「中小企業家しんぶん」 2018年 7月 5日号より