合説が「カフェ」に~見たことのない就活スタイルへ挑戦【東京】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】78

 東京同友会は、7月4日ベルサール秋葉原にて2019年3月卒業生を対象とした、第3回合同企業説明会「東京JOBWAY(以下略称「合説」)」を55社、学生91名にて開催しました。これまでの平均参加学生数は昨年とほぼ同じ101名。各同友会や他企業の合説が軒並み減少、地域によっては半減している状況で昨年並みを維持しています。

合説の新たな取り組み

 東京同友会共同求人委員会では、昨年開催した合説での来場学生や参加企業のアンケートを基に議論を重ね、今年度から求人活動に関する開催概要を大幅に変更しました。

JOBWAYのブランド化「良い会社」が集う

 まず、若者雇用促進法施行による求人票記載事項の厳格化を各社に求めました。

 このことはよい会社づくりをめざす同友会企業やJobway(同友会の就活サイト)全体のブランド化を図り、集客や採用の向上につなげるものです。参加企業には数度にわたる説明会や、求人票チェックシートによる確認、不備な場合は改善をお願いするとともに、専門家による個別相談会の開催も行い法令順守を徹底してきました。

 また、昨年に引き続きフリーペーパー「そこのあなた!ブラック企業を避けるはずが…ホワイトな中小企業までスルーしちゃってますよ」を発行。首都圏130校を対象とした学校訪問やガイダンスで学生に配布し、その鋭いキャッチフレーズで学生に訴求してきました。

カフェの雰囲気で

 共同求人活動の中核となる合説の企画内容も一新しました。間接照明に観葉植物の配置。参加企業は落ち着いたモスグリーンのお揃い「JOBWAY Tシャツ」を着用。丸テーブルを囲み立ったままコーヒー片手に談笑できる場内は、まるでイタリアのカフェにいるかのように気軽に話せる雰囲気を演出しています。

 学生アンケートでは、「こんな合説見たことない」「フランクな雰囲気で緊張せず質問でき、より多くの企業を訪問できた」との感想もありました。企業への平均学生訪問数も昨年の3.57人から7.76人と倍増し、数字からも多くの学生が多くの企業と出合える場になっていることが顕著に表れています。

 今年の特徴として、昨年9月と今年2月に開催した「社長弟子入りインターンシップ」の参加者や、各大学で同友会が開催するガイダンスから連続して参加している学生がいること。首都圏に限らず、北海道や沖縄、台湾など遠隔地からも参加する学生がいることが挙げられます。

 さらに、会員である若者サポートステーションとも連携を図り、ニートやフリーター、何らかの理由で離職している若年者も参加し、より多様で各企画が連続した厚みのある活動に深化してきているのが特徴的です。

 開催要項や企画内容を大幅に変更した合説には、参加企業から多くの支持がある半面、従来通りの合説を望む声や改善点の指摘もありました。委員会ではこうした意見を1つ1つ精査し、コンセプトフレームは変更せず毎回場内配置や企画内容を改善しています。

 東京同友会では、最終回となる10月10日のカフェスタイル合説に向け、よりブラッシュアップした形で、学生と企業のよき出合いの場となるよう今後も参加企業と共に模索していきます。

「中小企業家しんぶん」 2018年 7月 15日号より