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好転と悪化入り交じり、トランプショックの可能性、高まる

【同友会景況調査(DOR)概要(2018年4~6月期)】

〈調査要項〉

調査時点 2018年6月1~15日
調査対象 2,373社
回答企業 1,003社(回答率42%)(建設174社、製造業323社、流通・商業305社、サービス業193社)
平均従業員数 (1)39.5人(役員含む・正規従業員)(2)28.7人(臨時・パート・アルバイト)

※業況判断DI(デフュージョン・インデックス)は、好転企業が悪化企業を上回っている割合(%)をさす。DIが100に近いほど、好転企業の割合が高いことを意味し、DIが-100に近いほど、悪化企業の割合が高いことを意味している。好転、悪化が同数の場合は、DIは0となる。ほかの指標のDIも同じ考え方で作成されている。各水準DI以外、本文中特に断りがないものは前年同期比。

 トランプ政権は7月6日、中国の知的財産侵害に対する制裁関税を発動。中国も同日、報復関税を発動すると発表し、世界の2大経済大国が幅広く高関税をかけ合う異常事態に突入しました。貿易戦争などの不安定要因は拭いきれない状況です。

 7月2日発表の日銀短観(全国企業短期経済観測調査)は大企業製造業が前回調査の3ポイントを下回り、5年半ぶりに24半期連続の悪化となりましたた。中小企業全産業は横ばいでしたが、先行きは慎重な見方をしています。内閣府発表の2018年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は実質の年率換算で0.6%減となり、マイナス成長は94半期ぶりです。

次期は好転を見込むが…

 DORでは業況判断DI(「好転」-「悪化」割合)は3→4、売上高DI(「増加」-「減少」割合)は4→3、経常利益DI(「増加」-「減少」割合)は△1→1、足元の景況を示す業況水準DI(「良い」-「悪い」割合)は10→5と、「好転」「増加」と「減少」「悪い」が入り交じっています。次期(2018年7~9月期)は業況判断DI、業況水準DI、売上高DI、経常利益DIはすべて好転方向の見通しです。(図1)

 業況判断DIを業種別でみると、建設業が△1→5で6ポイント好転、製造業が4→8で4ポイント好転、流通・商業が2→3でほぼ横ばい、サービス業が6→1で5ポイント悪化しました。地域経済圏別では北陸・中部(8→13)以外はすべて悪化、企業規模別では20人以上50人未満と100人以上が好転、20人未満、50人以上100人未満は±1ポイントと大きな動きはみられませんでした。

仕入単価上昇傾向続く

 仕入単価DI(「上昇」-「下降」割合)は38→40と引き続き仕入価格の上昇圧力がかかっていますが、売上・客単価DI(「上昇」-「下降」割合)も8→10とわずかに上昇したことで、両指標の差は変わりませんでした(図2)。

 1人当たり付加価値DI(「増加」-「減少」割合)は3→2、1人当たり売上高DI(「増加」-「減少」割合)も1→△1と収益環境は思わしくありません。

所定外労働時間DIは減少

 正規従業員数DI(「増加」-「減少」割合)は今期8→11と堅調です。業種による季節業務の変動や働き方改革の影響もあり、所定外労働時間DI(「増加」-「減少」割合)は△5→△14と減少傾向が強まりました。人手の過不足感DI(「過剰」-「不足」割合)は△48→△43と不足感が若干緩和されましたが、依然強い不足感が続いています。

 設備投資の過不足感DI(「過剰」-「不足」割合)は△22→△21と不足感を維持し、設備投資実施割合は前期から4.1ポイント増の36.7%となりました。一方で、設備投資計画のない企業は「当面は修理で切り抜ける」と様子見傾向にあるようです。(図3)

雇用・採算面の課題が焦点に

 経営上の問題点は「従業員の不足」、「人件費の増加」の指摘が1位と2位を占め、多くの企業で雇用に関する課題が意識されています。また、「仕入単価の上昇」も2017年7~9月期から指摘割合を高めており、雇用・採算面での経営圧迫が懸念材料となっていることがうかがえます。(図4)

 経営上の力点における全体的なトレンド「新規受注(顧客)の確保」、「付加価値増大」、「社員教育」の上位3項目に大きな変化はありません。(図6)

 ただし、経営上の問題点、力点ともに業種や地域、企業規模によって指摘項目のウェイトは異なっています。経営判断にあたっては刻一刻と変化する情勢を冷静に捉え、自社の立ち位置を確認しながら対策を講じていく姿勢がいっそう求められてます。(図5、6)

<会員企業の実践から(経営上の努力・雇用、採用面への取り組み)>

○受注機会があっても人材(技術者)不足で、難しい状況です。アウトソーシング(外注)により工事遂行を進める当社にとって苦しい状況が続きそうです。その状況下ですが、新卒採用を続けながら育てていきたい。(青森、建設業)

○当面今までのような採用はできない。定年延長、障がい者の雇用や働き方改革などで足元を合理化して生産性を上げていきたい。(東京、建設業)

○もう1度原点に戻り、コストマネジメントの仕組みを再構築して、全員に周知させるようにしました。(滋賀、建設業)

○現在若い職人を育てている段階です。能力の差もあり一様にレベルアップするのは難しいです。弊社は100%受注生産で、毎回作る品物も違っていますので、応用のきく、かせげる職人になるまでには最低10年必要とします。とにかく先を考えて社内での教育に力を入れています。(福岡、製造業)

○求人(特に2019年度新卒採用)の強化。6月になり内定辞退者が出ている。目標の採用人数を確保するため、高校や第2新卒も含めて採用活動に力を入れる。(大阪、製造業)

「中小企業家しんぶん」 2018年 8月 5日号より

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