人生における選択と生きる力を学ぶ~松山大学で松山市中小企業振興円卓会議提供講座【愛媛】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】79

 愛媛同友会は松山大学において「地域中小企業論~私の人生(キャリア)設計、その意味と価値」(全15講)を4月12日~7月26日にかけて実施しました。

 愛媛同友会では、中小企業振興基本条例制定および推進運動に積極的に取り組んできました。2014年4月には松山市中小企業振興基本条例が施行され、推進組織である松山市中小企業振興円卓会議においても会員が中心的な役割を果たしています。円卓会議から松山大学でキャリア教育を担う提供講座を実施することが決定し、その運営を愛媛同友会が担うこととなり今に至ります。

 2007年より愛媛大学で行ってきた提供講座の経験を生かし、松山大学と打ち合わせを重ね、より学生が自身に置きかえてこれからの人生や生き方を考えられるような講義となりました。会員が自らの人生を語り、人生における選択と生きる力を学ぶことで職業観や勤労観を醸成することを目的としています。

 第1講と第15講で学生に大企業のイメージと中小企業のイメージについてアンケートを取りました。第1講では中小企業をそもそも知らない学生が多数で、中小企業に対してよいイメージはあまりなく、大企業は福利厚生も手厚く、給料も高いといったイメージを持っていました。しかし第15講では、大企業のイメージはあまり変わりませんでしたが、中小企業は、大企業にできないことをしている、責任を持って仕事されている方が多い、やりがいがある、日本を支えている、有意義な人生が送れそうといったポジティブなイメージを持っていました。

 各講師、自身や自社のよいところばかりを話していたわけではありません。言いにくい部分も話してもらいました。しかしざっくばらんに、真剣に話したことで学生は自らに置きかえて聴くことができたようです。

 この提供講座は、第1回としており、来年度からも継続して実施予定となっています。松山大学とは2017年12月に連携協定を締結し、今後、インターンシップの実施など、さらなる産学連携のために新たな取り組みを検討中です。

「中小企業家しんぶん」 2018年 8月 5日号より