社員と経営者が共に育つ活動を~共育委員会の多彩な研修カリキュラム【東京】

 東京同友会共育委員会は昨年、従来の教え育てる「教育」から共に育つ「共育」に名称を変更しました。

 よい会社をつくるために経営者は自ら学びを深め、社員を巻き込み、社員とともに成長することが必要になります。

 東京同友会共育委員会の共育ちの歴史は1984年の新入社員研修から始まり、33年続く中で延べ1万1000人以上の修了生を輩出しています。働くことの意味、仕事の進め方、ビジネスマナーなどの講義とグループ討論を行っています。研修は共同求人委員会と共育委員会の実行委員会方式で企画されています。

自社をよい会社にしたいという強い思いを実現するために経営者自ら汗をかいて研修のカリキュラムを作成しています。

 マナー研修では、共育委員会研修の1つであるビジネスマナー・インストラクター養成講座を受講した先輩社員がマナー講師を務めます。マナーの技術だけでなく、先輩社員は新たなことにチャレンジすることで人間的な成長が得られ、新入社員は身近な先輩社員のチャレンジする姿を見ることが大きな学びになります。

 半年後および3年目にはフォローアップ研修を行い、これまでの成長を振り返り次の目標を考えます。

共育研修では自社の経営指針の理解を深めて、自立型人財に成長することを目的としています。階層別に3つのコース(経営幹部、管理職、リーダー)があり、新入社員が入社してから幹部社員に成長するまで各段階で必要な研修を体系的に学べます。

 これらすべての研修は共育委員会の活動理念に基づいてつくられています。

 共育委員会の活動理念とは、経営者が人育ての本質を学び、自己研さんを重ねて、社員と共に成長する共育実践を行っていくこと。同友会の理念に基づき、社員と共に経営指針の共有に取り組むこと。1社ではできない社員共育を、会員企業の英知を結集して行う共育をめざすことです。

 最近では共に育つが浸透し、研修に参加した企業から「会社が変わった」と声を寄せられるようにもなりました。

 現在、活性化している共育委員会もかつては停滞していた時代もありました。その時代を乗り越えてこられたのも「人を生かす、よい会社づくり」に対する想いを持った経営者が委員として参加し、「経営者自ら学び、共に育つ」を取り組み続けているからと東京同友会共育委員会では考えています。

「中小企業家しんぶん」 2018年 10月 5日号より