
2002.04.18
熊本県では、昨年末の九州最大手のスーパー寿屋の経営破たんに続き、地場中堅スーパーのニコニコ堂が4月9日、連結子会社2社とともに熊本地裁に民事再生法の適用を申請しました(負債総額は単体975億円を含め約1070億円)。
熊本同友会では、地域経済に深刻な影響が出ることが予測されることから、ファックスによる緊急影響調査(送信実数484社)を実施。 3日間という短期間の調査にもかかわらず99社から回答が寄せられ(回答率20・5%)、15社(15・2%)が影響ありと答えました。
「影響あり」と回答した企業のうち「直接取引きがある」のが5社、うち「影響度が大きい」と回答した企業が4社、「資金繰りへの影響が大きい」企業が1社でした。「取引先などから間接的にある」のが13社で、うち「影響が大きい」と回答した企業が9社、「資金繰りへの影響が大きい」企業が1社でした(重複回答3社)。
熊本同友会の経営相談窓口は、24時間の相談に乗ると共に、4月18日の定時総会で「緊急アピール」を発表。地域経済を担い、中小企業の経営と雇用を守り、社会の健全な発展をめざす同友会の心意気を会内外にアピールしました。
市場創造・雇用創出・人間尊重の企業づくりで地域経済を担う同友会をつくろう!! 寿屋・ニコニコ堂の破綻を越えて
熊本経済は、昨年末の寿屋の経営破たんに続き、4月にはニコニコ堂が破たん、岩田屋も来年2月までに撤退を決めており、地域経済の更なる悪化は必至です。
一連の問題は、「企業と経営者の社会的責任とは何か」「銀行の社会的役割は何か」「社員の人生にどう関っていくのか」という企業の原点、経済の原点を問いかけています。
企業の99%、就業者の80%を占める中小企業の経済社会における役割を積極的に評価して、経済政策の柱の1つとして位置づけることが今ほど重要なときはありません。
私たちが取り組んでいる「新しい仕事づくり」は、市場としては小さいが市場を深く掘り起こす多種多様な事業であり、地域経済を活性化させ県民生活を豊かにすること、地域の雇用を維持し拡大することと結びついています。大いに挑戦してまいりましょう。
私たちは1982年の創立以来、激動を友とし、いかなる経営環境の変化にも対応できる企業づくりに取り組み、530名の自主的な経営者団体へと歩んでまいりました。今年創立20周年を迎えます。
この歩みを支えたのは、同友会理念であり、会員経営者の(1)どんな困難があっても経営を投げ出したり、あきらめたりしない。(2)明確な経営指針をつくり、全社で実践する。(3)社員を最も信頼できる経営のパートナーと考え、共に育ち合う人間関係をうちたてるという熱い企業家精神でした。
本総会で私たちは、どんなに困難であっても、地域に根ざした多くの仕事をつくりだし地域を活性化していくこと、それを支える自主的で活力に満ちた人間集団としての企業をつくっていくことを誓い合いました。
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新しい仕事づくりに挑戦し、社会的存在価値のある企業を、社員と共につくりあげてまいりましょう。
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同友会理念を地域の隅々まで広げてまいりましょう。
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さらに力を蓄え、多くの中小企業家に同友会運動への参加を呼びかけ、20周年を大きな前進の中で迎えましょう。
2002年4月18日 熊本県中小企業家同友会 第21回定時総会
「中小企業家しんぶん」2002年5月5日号から
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