
「中小企業家しんぶん」2001年9月5日号より
金融アセスメント法を歓迎 −地域金融機関の実務家が同友会にエール・福島同友会
福島同友会福島地区(千葉政行地区会長、会員数332名)では「中小企業の貸し渋り対策」をテーマに7月例会を開催しました。 福島信用金庫総合企画部企画課長の佐藤英雄氏が基調講演を行い、ディスカッションで内容を深めました。佐藤氏は、実務家として業務を行いながら、福島大学大学院経済学研究科を修了後、中小企業金融論の研究者として活動をしています。 金融庁が定めた現行の「金融検査マニュアル」では、経営者の経営手腕や企業の将来性などを見るのではなく、決算書だけで取引企業を査定します。このマニュアルで査定すると、全企業の約3分の1が不良債権の予備軍であると判断されてしまうとのこと。査定基準は、大企業も中小企業も一律であり、このマニュアルが中小企業への貸し渋りの温床である、と佐藤氏は指摘しました。 さらに信金などの地域金融機関には、BIS基準を採用する都市銀行(自己資本比率8%以上)と国内金融機関(同4%以上)で基準が異なるにもかかわらず、一律にグローバルスタンダードを要求されてしまう風潮があるとのこと。 同友会が推進する「金融アセスメント法」が制定されることにより、地域金融機関が正当に評価され、中小企業の金融の円滑化に貢献することができると期待し、「ぜひとも法制定を実現して欲しい」と、佐藤氏は同友会にエールを送りました。 佐藤氏は、中小企業が金融制度上不利な地位に置かれている現状を問題視しつつも、中小企業者側にも公器としての企業経営に更なる努力をして欲しいと述べ、参加者は認識を深めました。
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