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アセスQ&A

Q5 金融アセスメント法が実現するメリットは何ですか。何が変わるのですか。

私たちは、このような金融機関の公共性を発揮させる金融システムを通じて、次のような健全かつ社会的に望ましい金融機関と地域金融環境を期待しています。

  1. 物的担保優先や連帯保証等による融資の割合を減らし、中小企業の潜在能力や事業性の評価による融資を拡大するなど、公正な金融ニーズに応えられる金融機関が高い社会的評価を得るようになることです。
    金融アセスメント法は、日本の金融機関が貸出先企業の事業評価をできる能力をつけ、適切なリスクを引き受けるという本来の信用創造機能を再生することを促すことが大きな目的です。
  2. 貸し手と借り手の公正な取引関係をめざすことです。日本では、交渉力の乏しい借り手に著しく不利な状況が放置されてきました。大手の建設会社等の債権は放棄しても、中小企業に対しては、一方的に融資条件を変更し、理由の説明もしないという「身勝手さ」に多くの中小企業経営者が不満を持っています。経営者が借り入れをすれば個人保証によって事実上の無限責任を負わされているのに比べ、金融機関は銀行約定書に見られるようにあまりにも一方的に有利であり、借り手に対しても「説明不足」です。少なくとも、「金融機関の融資基準を公表や融資の拒否理由の文書等での通知」また「拒否が不当と感じた借り手が監督官庁に再審査を依頼する仕組み」などを確立することが必要です。金融アセス法は、利用者利便の維持・向上という点から問題のある金融慣行の是正や公正な取引ツールの確立を促すものです。
  3. 金融機関が地域の信用ニーズに応え、資金を円滑に供給することです。そのような融資姿勢等の情報が公開され、地域と中小企業との共存共栄をはかる金融機関が選択・支持され、地域にしっかりとした理念をもった金融機関が育つことです。
  4. これまでの金融行政が官僚による裁量的な指導に極度に依存してきた点を是正し、利用者参加型行政システムへの転換を図ることです。もちろん、監督官庁は、従来の「事前的規制」から「事後的規制」に移行すべく努力し、金融情報の開示についても一定の進展は見られますが、それを徹底するのが金融アセス法なのです。金融アセスメント法は、「利用者参加型」で望ましい金融機関を育成していく環境を整えるとともに、金融行政の透明化によって裁量行政の歪みを是正することを企図したものです。それは、現在の金融システムを、国民が「自分たちのための金融システム」だと実感できるものに近づけていくのに役立つと考えられます。
  5. 地域産業振興に不可欠な地域資金循環をつくり出すよう地域の金融機関と行政が協力・連携する条件を整えることです。中同協案では、「国及び地方公共団体の責務」として、「国及び地方公共団体は相互に協力し、基本理念にのっとり、地域と中小企業の金融環境の活性化に関し必要な施策を策定し、及び実施する責務を有する」と規定し、国と並んで地方自治体も公的融資だけでなく、民間の金融機関を含む金融環境に責任を持つことを明記しました。現状では金融機関に関しては金融庁が管轄していますが、地域経済にも大きな影響がある金融機能に対して地方行政も関与し、地域経済を活性化させる責任と手段を与える必要があります。
 

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