
5信金合併で緊急調査(京都)
「中小企業家しんぶん」2002年5月25日号より
「新規融資の実行に不安」が47%(京都)
2001年の1年間で破綻処理された金融機関は、信用金庫を中心に47にものぼっています。今年1月24日には、京都府北部地域に業務展開する5つの信用金庫すべてが1つに合併する、という発表がありました。
これは、昨年1月に京都市域・府南部地域の2信金が破綻・事業譲渡したことに続くもので、2000年に京都府内に9庫あった信金が、3庫になるという大きな金融再編です。
合併を発表したのは、京都北都、福知山、東舞鶴、舞鶴、綾部の5信金。趣旨説明文では「それぞれの経営資源を有効に活用して、収益力の強化を図り、健全かつ強固な経営基盤を構築する」として、対等合併を表明しています。
京都同友会は、この地域の4支部に約180名の会員が所属しており、4月上旬にこの合併について「緊急調査」を実施し、49名(回答率27.2%)から回答を得ました。
回答では、5信金いずれかと取引のある企業は100%で、なかでも合併の中心となる北都信金との取引企業は67.3%にのぼります。
今後心配されることとして「新規融資の実行に不安」(46.9%、図表)や、複数信金との取引企業が多いため「融資枠がこれまでの合計額として継続されるか否か」などがあげられる一方で、「取引継続」が75・5%、「検討中」8.2%、「他に変更」の回答なしと、事実上、選択肢がない厳しい金融環境を象徴しています。
各支部では、地域の金融機関を招いて4・5月の例会を開催していますが、4支部で構成する北部地域協議会では、7月に会員を対象とした研修会で、金融機関との対応などについて検討する予定です。