【09.01.15】企業存続へ向けた緊急アピール:中同協第3回幹事会

 1月8~9日に東京で開かれた中同協第3回幹事会では、急激な経営環境の悪化を乗り切るため、全会員に向けて緊急アピールを出すことを決めました。(以下、全文)

全会員に訴える緊急アピール「企業存続のため経営改善に全力で取り組もう」

2009年1月9日中同協第3回幹事会

会員のみなさんへ~知恵と経験を総動員しよう

 世界的に金融恐慌が実体経済へ波及し、日本も百年に一度という経済危機を迎えています。中小企業においても製造業から全ての業種で、崖から突き落とされる状態で危機が広がっています。会内では、5割以上の大幅な受注減や今後そのような状況が予想される企業も少なくありません。

 会員の皆さん、どのような状態に直面しても一人で悩まないでください。こんな時こそ同友会の先達の知恵・実践に学ぶことが解決への早道です。
 オイルショックやバブル崩壊、阪神淡路大震災の時も、仲間の知恵を得て、先輩たちは乗り切ってきました。

 14年前の阪神・淡路大震災復興時に兵庫同友会は、企業再建に必要な情報を同友会に集中し、被災した会員を訪問し、まず再建計画書をつくることを伝えていった経験があります。

 この危機的情勢に的確に対応するため、中同協第3回幹事会は、会員のみなさんに以下の行動を呼びかけるものです。

すぐに手を打つべきこと

 困難な状況を打破する鍵は、現状認識を社内で一致させること、必要な情報の収集とすばやい行動、相談する仲間を持つことです。すぐに手を打ちましょう。

  1. 早急な資金手当て 3月には金融機関が決算を迎えるため、さらなる貸し渋りが予想されます。現段階から資金手当てを行うとともに、売上半減からゼロまで想定して損益計算書を作成し、対応を考えていきましょう。財務体質を強化し、月次で収支を合わせ、徹底した減量経営に取り組みましょう。
  2. 危機感の社内共有 危機感を社内で共有し、経営戦略の再構築・見直しと顧客作りに取り組みましょう。特に周囲に販売先を増やす取り組みをすすめましょう。
  3. 会員間ネットワーク強化 会員間ネットワークの強化に取り組み、人的資源、商品・サービス、顧客・取引先を共有する取り組みをすすめましょう。
  4. 全社一丸体制 社内で十分協議することでワークシェアも自主的に進められます。いまこそ全社一丸体制づくりに取り組みましょう。
  5. 勇気を持って相談を 同友会を活用しましょう。一人で悩まず勇気をもって相談してください。まず事務局や支部の役員に一報して下さい。1社で解決できない問題を共に解決していきましょう。

役員・事務局のみなさんへ~全会員訪問と悩みが出せる場づくりを

 非常時という認識を同友会役員間で共有し、コミュニケーションを密にして、一社も潰さない構えで会員の経営危機対応に全力で取り組みましょう。

  1. さまざまな緊急施策が出されています。企業が取り組みやすいように、全ての施策と方法を分かりやすく広報していきましょう。
  2. 全会員訪問へ取り組み、個別企業の現状をつかみ、励ましあう活動に着手しましょう。
  3. すべての活動で経営課題や悩みを出し合える機会をつくり、お互いの知恵を出し合い、解決方向が見いだせる例会・研究会等の場作りに取り組みましょう。
  4. 専門家会員(税理士、会計士、弁護士等)の協力も得ながら、会として経営相談に応じられる体制をつくりましょう。
  5. 地域経済を守る取り組みを、他団体や行政、金融機関にも呼びかけて進めましょう。