【20.05.20】【会長談話】長期化に備え、視座高く変化に対応しよう~中小企業の維持、存続こそ 経済・社会の支え~

 新型コロナウイルス感染拡大の問題は、4月7日、国が7都府県に「緊急事態宣言」を発令し、16日には全都道府県に適用されたことにより、経済活動の基盤である人と物の動きが大きく制限され、さまざまな業種で事業の継続に深刻な危機をもたらしています。
 さらに国は、5月6日までとしていた緊急事態宣言の期限を31日まで延長する一方、14日には39県の適用を解除するなど、感染症対策を地域ごとに判断する方向を示しています。また、残す8都道府県の解除も21日をめどに判断するとしていますが、ワクチン開発などウイルス対策の確立を見るに至っておらず、「第二波」「第三波」の可能性は否めません。
 この問題の経営への影響の長期化に備え、あらためて会員のみなさんに以下の点を呼びかけます。

1.事業の継続に全力を尽くそう

 深刻さを増す危機の中で、あらためて事業継続のために手を尽くしましょう。
 (1)支援施策も活用し徹底した資金手当てをし、(2)社員の雇用と健康を守り、(3)社内での正確な現状認識の共有と対策を実践し、(4)会員間ネットワークを活用・強化するとともに、(5)一人で悩まず同友会に相談し知恵を出し合いましょう。

2.経済・社会の変化に備えよう

 感染症対策による事業活動・社会活動の制限や変化は、事業のあり方に転機をもたらそうとしています。この転機を新たなビジネスチャンスにつなげるために、自社の強みを再確認し、事業領域や社内体制の抜本的見直し、連携の強化・促進など、企業変革の機会にしましょう。

3.活動する同友会の姿を会内外に示そう

 39県での緊急事態宣言の解除により、地域ごとに事業活動・社会活動の制限が緩和されていきます。同友会活動も各地域の条件に合致させ、会員一人ひとりに声をかけ、企業と雇用・地域を守る取り組みを広げ、事業活動の再興・強化を支えることにより、中小企業憲章にあるように「社会の主役」として役割を果たしましょう。

4.一人ひとりが生き生きと輝く社会にしよう

 感染症問題の危機に直面し、人権や人間性をないがしろにするような行動の問題も報じられています。しかし、市民一人ひとりがかけがえのない存在であり、社会的に支え合わねばなりません。私たちは今、地域に生きる経営者としての姿勢と存在意義が問われています。自社における「人を生かす経営」を貫き通し、地域の絆を紡ぐリーダーとして、その考え方を社会に広めましょう。

以上

2020年5月19日
中小企業家同友会全国協議会 会長 広浜 泰久