政策・主張

中小企業家の緊急要望・提言
適格請求書等保存方式(インボイス方式)導入の撤回を求めます

 消費税制において、2023(令和5)年10月から仕入税額控除の要件として適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス方式の導入が予定されています。この導入は中小零細企業の事務負担が一層増加することや流通の混乱、国民経済の停滞などといった影響が予想されます。多くの事業者はインボイス方式の仕組み、具体的内容、そしてその影響といった問題点を理解していない状況です。

 例えば、免税事業者はインボイスを発行できず、インボイスがないと仕入税額控除はできないことから、消費税の課税事業者はインボイスを発行しない免税事業者との取引を回避したり、取引価格の値下げ要求へとつながります。逆にこの免税事業者は課税事業者との取引を継続するため、自ら課税事業者になることを選択したとするならば、消費税における零細事業者のセーフティーネットとして機能している事業者免税点制度が実質機能しないことにもなります。
 また2023年10月からインボイス制度が始まると2026年までの3年間の経過処置で免税事業者からの仕入れの80%が控除可能とありますが、2割分は免税業者の負担か課税業者の負担もしくは取引をしないという選択を迫られ、廃業や免税業者の取引からの排除が多数予想されます。
 これらの例からして、適格請求書等保存方式の導入は、零細事業者にとっては死活問題であり、また彼らと取引のある事業者にとっても多くの負担や混乱を生み出すことにもなります。

 かつて最低資本金制度が導入され、資本金を1,000万円にまで引き上げなければならないことになった際、この引き上げができない多くの零細事業者は自ら廃業の道を選んだということがありました。インボイス制度の導入は免税事業者の廃業につながり、これにより日本経済、とりわけ中小企業や地域社会の活力を奪う可能性があります。

 わが国の消費税制は、仕入税額控除にあたり、現状の帳簿方式(アカウント方式)で十分に機能しています。専門家が複数税率であっても現行の請求書等の記載事項の変更によって十分維持できると判断している以上、零細事業者の消費税負担、事務負担を増やし、経済活力を奪い、課税事業者にとっても混乱を招く適格請求書等保存方式(インボイス方式)を導入する理由はありません。
 よって、適格請求書等保存方式(インボイス方式)の導入の撤回を強く要望いたします。

以上

2021年8月24日
中小企業家同友会全国協議会 会長 広浜泰久

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