地域の担い手としての自覚を 松戸支部(千葉) 松戸支部長 岩橋 成行氏(太陽ハウス(株)社長)

―まず地域の特徴を。

岩橋 JR常磐線で東京と千葉の県境である江戸川を越えると松戸市です。「千葉都民」という言葉に象徴されるように東京のベッドタウンです。産業では工業団地が3つ、農業も健闘しており、いちご、ねぎなどの生産のほか、梨・ぶどう・枝豆・芋ほりなどの観光農園が盛んです。隣接する柏市がまちおこしに成功し、東京と柏にはさまれる松戸は商業面では苦戦しています。

―入会のきっかけとその後学ばれたことは。

岩橋 7年前入会しました。経営指針成文化セミナーにすぐ参加できたことは、今考えると幸運でした。例会だけの参加では、おそらく気づかなかったと思えることがたくさんありました。

 セミナーで会員から「岩橋さんは会社はみんなのものだ、と会社で言ってるようだけど、社員が本当にそう思っているか聞いてみたことがあるか」と指摘され、会社で聞いてみたんです。すると幹部は別ですが、「会社が自分たちみんなのものだなんて考えたこともない」という社員が結構いることが分かりました。私の勝手な思い込みであったことがよくわかりました。

 事務局から「岩橋さんは社員を見下しているように見えます。それでは社員の本音は引き出せないし、教育は成り立たない」と言われたことも、反省材料でした。自分では民主的な社長のつもりでいましたから。

―支部活動の特徴は。

岩橋 昨年5月支部長に就任しました。125名でスタートして、現在160名になりました。これは千葉県内で質量ともにダントツの一番支部にしようと「ダントツ本部」を設置し、今年7月千葉で開かれる全国総会までに260名の支部にしようという活動が成果を生んだものです。

 ダントツ本部は、ごぶさた会員、例会お誘い、新入会員、入会手続きの各担当に分かれて、組織強化のための活動を行っています。特に新しい会員を手厚くもてなすことに力を入れ、新会員を対象に、昼食ミニ例会を開催したり、役員が2人1組で新会員を訪問して経営課題を聞きだし、その結果を役員会で報告しあったりしています。

 役員会は90%の出席率です。市内で同友会の評価が高まり、注目され始めてきています。真剣に学び、企業を成長させている集団だということが知れわたるのはとてもうれしいです。

―今後の課題は。

岩橋 200名を超えたら、課題別の勉強会などを充実させていく必要があると思います。さらに地域経済の担い手としての自覚を高めて、まちおこしを手がけていきたいですね。そのためにも、親が自分の仕事を子どもに自慢できる会社、地元の子どもたちが、勤めたくなる会社、そんな企業づくりを進めていきたいと思います。

▼松戸支部の概要
設立 1982年
会員数 160名
役員数 24名
対象地域 松戸市(人口46万5000人、企業数4100社)

「中小企業家しんぶん」 2005年 2月 15日号より