全会員が指針確立し、理念重視の経営を 県南支部(神奈川) 県南支部長 高橋 良治氏((株)バニーフーズ社長)

―地域の特徴を。

高橋 三浦半島全域が対象です。3方を海に囲まれ、自動車工場などの大企業とその下請け中小企業、農業・畜産業、水産業など多彩な産業があります。東京・横浜のベッドタウンでもあります。鎌倉などへは年間2000万人を越える観光客、日本一の海洋レジャー人口、本土一の軍事基地、そして小泉首相の出身地など、日本を凝縮した地域が三浦半島です。

―同友会で学ばれたことは。

高橋 2000年4月、取引先の社長から誘われて入会、当時は全くの個人商店で、私が留守だと大混乱の会社でした。疲れ果てた毎日を送っていた時、中同協の赤石会長の話を聞いてショックを受けました。その後、全国総会に参加したり、再び赤石さんの話を聞き、著書を読み、経営理念を重視にした会社づくりの大切さがわかり始めました。全国の3大行事は必ず参加しています。社員との信頼関係もできてきました。売っている商品もすっかり変わりました。地産地消・安全・安心を追求する中で、結果としてオンリーワンの会社になってきました。

―支部活動の特徴は。

高橋 県南支部は2003年、神奈川同友会6番目の支部として誕生しました。一貫して会員企業の実践報告から学ぶことを繰り返してきました。ほとんどが新会員の方々で、1年目は私とごく一部役員、それと事務局で、活動を引っ張ってきました。幹事も誘わないと例会に参加しない状況もありました。これではいけないと、その後は幹事会を重視すること、経営指針作成部会に参加することを重点に行ってきました。

 2年間で経営指針は7人が受講し、支部の役員としての自覚も高まってきました。また全国行事のグループ討論で聞いた北海道の経験をまねて、新会員歓迎会でベテラン会員から「120%同友会活用法」というテーマで、自らが同友会で学んでどう変わってきたかを語ってもらっています。

―今後の課題、抱負は。

高橋 会員のアンケートでは、社員教育と経営戦略への要望が高いので、それをテーマにした例会作りをしていく予定です。なによりも大きな課題は、すべての会員が経営指針を確立し、理念重視の経営の大切さを理解してもらうことだと考えています。この5月までには40名の会員にし、次の50名、そして100名、鎌倉を中心にした新しい支部をつくり、町の活性化に貢献できたらと思っています。

▼県南支部の概要
設立 2003年
会員数 30名
役員数 11名
対象地域 横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町(人口73万6000人、企業数704143社)

「中小企業家しんぶん」 2005年 3月 15日号より