同友会の魅力を地域に広く発信 東支部(熊本) 東支部長 内野 靜子氏((株)アクアテック社長)

―まず地域の特徴は。

内野 熊本市には4つの支部があり、この東支部は主に東部地域を対象としています。熊本市は、九州中・南部の拠点都市として重要な役割を担っています。熊本県の人口の約3分の1、企業の約5分の2を占めており、一極集中が顕著です。また、歴史と文化の街であり、豊かな自然と資源にも恵まれ、特に水は、市内の上水道のほぼ100%が地下水で賄われています。

 産業はサービス業を中心に、IC産業の集積、全国でも高い生産性を誇る都市型農業、水産業などが展開されています。最近では九州新幹線の全面開業が2011年に迫り、熊本駅周辺の整備や民間投資が活発ですが、寿屋、ニコニコ堂といった地場有力企業の経営破綻(はたん)以降は流通業界の再編が加速し、県外資本の大型SC出店攻勢で地元商店街が危機感を募らせています。

―入会のきっかけと、その後学ばれたことは。

内野 当時の社長(現会長)に誘われ、1992年に入会しました。当初は女性部会に顔を出すくらいでしたが、2000年に社長に就任して、経営者としての勉強をしなければと思い、積極的に活動を始めました。

 同友会では、「謙虚な姿勢で学ばないと何も得ることができない」ということを一番に学びました。さらに2年前の定時総会記念講演で鋤柄幹事長の「会社は『存続』させるだけでなく『発展』させなければならない」という言葉にショックを受けました。発展させるためには経営指針の実践に取り組むしかないと、会長が同友会の経営指針作成セミナーに参加して作った経営指針を本気で社員と実践していこうと決意しました。そのことで社員との意思疎通が図れ、会社の雰囲気が良くなり、わが社の課題であった社員の定着率も良くなってきています。

 また、同友会は男女問わず、経営のことを心置きなく話せる会だと感じています。こんな会はほかにはないと思いますので、多くの女性経営者にも入会してもらいたいです。

―支部活動の特徴は。

内野 昨年4月に支部長に就任しました。熊本同友会創立以来初の女性支部長と聞いています。支部には熊本同友会会員の約3分の1にあたる145名が所属しています。就任1年目は「経営指針の確立と実践」「人材育成の能力向上」を重点課題に据えて活動してきました。経営指針作成セミナーには5名、社員共育大学には10社が参加し、熊本同友会のリーダーを担う会員が多く育ってきています。まもなく1年目の任期が終わりますが、まだやり残したことがたくさんあるので「もう1年支部長をします」と立候補しました。

―今後の課題、抱負は。

内野 同友会を地域に広く発信して、多くの経営者にその存在と魅力を伝えて、200名会員の実現をめざします。活動の質を高めることも不可欠です。経営指針の確立と社員共育活動の推進はもちろん、月例会の充実と参加促進で退会者を減らすことも重要です。なにより私自身が「同友会で勉強してわが社はこんなに良くなった」と自信を持って語れるよう、また会員を増やしていきたいです。

▼東支部の概要
設立 1996年
会員数 145名(熊本市にある4支部全体では396名)
役員数 40名
対象地域 熊本市(人口617万1000人、企業数8349社)

「中小企業家しんぶん」 2005年 4月 15日号より