力強く燃えつづける炭火のように 福山支部(広島) 福山支部長 立石 克昭氏((株)タテイシ広美社社長)

―まず地域の特徴を。

立石 福山市はバラの町と言われ、毎年5月には「バラ祭」が行われます。瀬戸内海に面した市内の鞆の浦は、昔から潮待ちの港として栄えてきました。大企業の城下町ではないので、独立企業が多く、企業家精神が旺盛(おうせい)です。特に、さまざまなものづくりは盛んです。隣接する府中市は人口4万人のまちですが、上場企業が5社あります。

―入会のきっかけは。

立石 1989年、共同求人への参加が目的で入会しました。当時社員5~6人でやっていましたが、募集しても人は来ない、学校からも相手にされない、そんな時、知りあいの社長から共同求人のことを聞いたのがきっかけです。

―どんなことを学ばれましたか。

立石 2年間ほどは共同求人のみの参加でした。初めて出席した例会では、その真剣さにカルチャーショックを受けました。入会以前は「私の会社」という意識が強く、社員は私の決めたことに従う存在でしたが、社員をパートナーと考え、社員が主人公になる会社を目指すようになってから、社員自身も変わってきました。

―支部活動の特徴を。

立石 支部内は13の地区に分かれており、毎月各地区ごとの例会が行われています。支部例会は隔月開催です。支部の役員会は、楽しい雰囲気で笑いが絶えず、出席率は平均90%を超えています。

 支部のスローガンに「いこれ」という言葉を掲げています。備後地方の方言で、火のついた炭などのことを「いこる」と言いますが、力強く燃えつづける炭火のような情熱を持った経営者になろう、という思いが込められています。

―今後の抱負は。

立石 「地域とともに」ということを同友会活動でも企業経営でも、これまで以上に大切にしていきたいと考えています。「同友会のおかげで地域が元気になった」と言ってもらえるようにしたいですね。

 私の会社は福山市に隣接する府中市の山の中にあるので、時々「福山市へ移転したら」と勧められることがあります。しかし私は、地域の人々にとっても「あの会社はこの地域の誇りだ」と思え、「あそこのおかげで地域が良くなった」と言えるような会社を目指したいと考えています。

▼福山支部の概要
設立 1983年5月
会員数 583名(3月末)
役員数 27名(支部理事)
対象地域 福山市、府中市、神辺町(人口46万人、企業数7057社)

「中小企業家しんぶん」 2005年 5月 15日号より