急速に高まる地域の期待にこたえられる力を 盛岡支部(岩手)

盛岡支部長  晴山 祐一氏((株)五日市塗装工業社長)

―はじめに盛岡市の特徴を。

晴山 雄大な岩手山を北に見て、中心部で北上川、中津川が合流する豊かな自然の中にあり、宮沢賢治、石川啄木などの文化人を育んだ城下町の情緒と風格が今も残る歴史ある街です。

 観光の面では、冷麺(れいめん)、わんこそば、じゃじゃ麺を盛岡3大麺として評判を得ています。私たちも普段良く食べています。

―同友会に入会されて学ばれたことは。

晴山 入会して2年半になります。入会したころ、社内の雰囲気が良くなく、ちょうど参加した教育委員会で自分の悩みを話したところ、親身になって答えてくれたので、これは何かつかめるかなと思いました。

 例会に参加するうちに、社内の問題を解決するには自分が学ぶしかないと思えるようになりました。

―経営指針についてはいかがですか。

晴山 2年ほど前、実質的にナンバー2の社員に「社長はこの会社をどうしたいんですか」と詰め寄られ、満足な答ができませんでした。同友会の経営指針を創(つく)る会で1年学び、経営指針を作成しました。最初の発表の時は、すがすがしさを感じたのは私だけ、社員は踊らずという状況でした。しかし毎週すべての現場の売上について、予定と結果の数字を明らかにし、全員が認識を一致するようにしたおかげで、社員の意識は変わってきました。

 事前の下見と打ち合わせの実行、手抜きをせず材料も大事にするなど、仕事への姿勢が変わり、クレームが減りました。それまでの打ち合わせは、社長がすべて行い、社員は黙って仕事をするだけという会社が一変しました。

 昔から私を知っている人から、「どうしちゃったの晴山さん、いったい何があったの、ずいぶん変わったね」と言われることはうれしいです。

―支部活動について。

晴山 e.doyuの積極的な活用をはかっていこうと考えています。出席できない会員とも情報が共有できるので、組織強化につながると思います。会員訪問をして、多くの会員が活用できるようにしていきたいですね。

 市長との懇談、中小企業振興基本条例を作成するための審議会への参加、さらには高校生の就職率アップについての市やハローワークからのお願いなど、地域からの期待が急速に高まっています。

―今後の抱負を。

晴山 2008年青年経営者全国交流会を盛岡で開催しますので、それまでに岩手同友会600名、盛岡支部300名を実現するのが目標です。企業としては、中学生の職場体験学習を受け入れ、仕事とは何かを伝えていきたいと考えています。

▼盛岡支部の概要
設立 2005年3月
会員数 170名
役員数 20名
対象地域 盛岡市(人口310万2857人、企業数3497社)

「中小企業家しんぶん」 2006年 7月 15日号より