企業組織率10%をめざして 沼田支部(群馬) 沼田支部長 橋本 孝子氏(橋本労務管理事務所所長)

―地域の特徴を。

橋本 谷川岳、尾瀬、水上温泉など全国に知られている名所があります。観光産業の状況は厳しいので、体験ツアーなどの工夫をしているところが多いようです。

農業が盛んで、特にこんにゃくは特産品です。昔は林業も盛んでしたが、今は下火で、その名残りで木工製品をつくる工場はたくさんあります。

 私は、山にあこがれ、結婚直後、東京から移り住みました。子育てには、抜群の環境でした。自然だけではなく、近所付き合いの濃厚さも含め。

―入会のきっかけは。

橋本 10年前になります。愛知県にある、黄柳野(つげの)高校に子どもが通っていたので、学校支援のPTA活動の一環としてスープを売り歩いていました。その活動の中で、同友会の会員の方々が黄柳野高校を応援していると聞き、群馬同友会の事務局を訪ねたんです。企業家の皆さんが教育に関心を持っていることがうれしくて、すぐに入会しました。

―同友会で学ばれたことは。

橋本 自立の精神ですね。中小企業経営は、だれも助けてはくれない。すべて自分たちでやらなければならない。行政の姿勢を変えるのも自分たち。力を合わせれば、よい地域をつくることができると実感しました。同友会は自分と自社のありようを見つめ直すチャンスを与えてくれますね。例会報告者は何カ月も前から緊張して準備しますが、これがいちばん勉強になります。伸びている企業は人を大事にしているということがよく見えるのも同友会です。

―支部長として考えていらっしゃることは。

橋本 私は支部長になるまでは、“お客さん”だったと反省しています。群馬同友会のある役員が「自分にとって同友会活動は仕事だ」と言うのを聞いて、背中を押された気がしました。全国の同友会が運動している中で、支部の責任者としてこんなことでは申し訳ないと思い、自宅から1時間半かかる理事会にも元気に出席するようになりました。

―支部の特徴は。

橋本 今年の年間テーマは「経営理念をつくろう」です。支部の会員数が少ないので、役員会には一般の会員も出席しています。去年の秋から、毎回役員会では中小企業憲章の学習を行っています。最近は「研究センターレポート第17集」を使っています。

―これからの展望を。

橋本 沖縄同友会のように地域内の対企業組織率10%をめざしたいですね。提言もできるような力を持ち、影響力を発揮できるようになればと思います。

▼沼田支部の概要
設立 1990年
会員数 45名
役員数 運営委員15名
対象地域 沼田市、利根郡(人口9万8303人、企業数1398社)

「中小企業家しんぶん」 2006年 9月 15日号より