同友会への信頼と期待にこたえる会員増強活動

豊かな地域をつくる展望を

 2006年度の全国の同友会会員数は、223名の純増で、4年連続で純増となりました。それまでの10年前後の停滞を打破した要因は、地域経済の落ち込みの中での同友会への信頼と期待の広がり、それにこたえうる同友会活動の充実と会員企業の発展にあります。この間の会員増強活動の特徴と大阪同友会組織問題交流会の様子を紹介します。

 2006年度1年間の会員数の推移がまとまりました。昨年度の純増数は223名。前年度の1245名と比較すると約1000名減ったことになります。一方、年間の退会率は過去10年で最低を記録するなど、定着率は良くなっています。全国的には、入会数の少なさが、純増数の減少となって表れた1年だったと言えます。

 会員を増やしている同友会の教訓として、「豊かな地域をつくる展望と、そこに果たす同友会の役割」という会員増強の意義を繰り返し議論し、役員・会員の理解と確信を広げていること、目標を明確にし、増やすための具体的対策をたてていることがあげられます。加えて、トップリーダーや増強責任者の目標達成への情熱が、増強活動を支えていること、年度の早い時期に1年間の増強活動について意志統一をはかることも共通した教訓です。

会員増やす以外大阪救う道はない【大阪】

 大阪同友会は4月4日、「新支部長会ブロック長会」と「2007年度組織問題交流会」を開催しました。一昨年まで年度初めに開いていたこれらの行事を昨年は開催せず、会員増強の出足が鈍り、年間純減9名となった反省から、今年は早めにもたれました。

 新支部長会では、岡本代表理事が「支部長の任務と役割」について、「私たち経営者が学んで成長するということは、地域と国民の利益につながる。学べる例会づくりは学べる支部幹事会から。支部長は輪番制ではない。結果を出してから後任に渡しましょう」と報告。その後全員が発言、「一人ひとりの経営課題にこたえられる例会を」「会員訪問を中心にすえて退会防止に努めたい」など、今年度の抱負を発表しました。

 組織問題交流会には、支部長、会員増強責任者など115名が参加しました。

 交流会では、はじめに東大阪西支部長の永野美重氏が「支部例会に始まり支部例会に終わる」と題して次のように報告。その後、グループ討論が行われました。

 「支部長として留意してきたことは、支部総会で決まった方針をおざなりにしないことと、会員の増強と定着に責任を持つこと。“超精密例会”と言えるほど準備、運営、事後のフォローなどに力を入れてきた。例会委員会では1年間『労使見解』(中同協「中小企業における労使関係の見解」)を学んできた。例会の質は高まったが、“いい例会”だけで入会者が増えるわけではない。増やすための独自の手立てが必要、特にゲストの数が決めて」。

 最後に、堂上代表理事が「大阪の地で企業経営を続けていこうとするなら、会員増強に取り組むことは絶対条件。同友会の会員を増やす以外に大阪を救う道はない」と、向こう1年間の会員増強を呼びかけました。

「中小企業家しんぶん」 2007年 4月 15日号から