地域の課題にも機敏に対応【中同協政策委員会】

 3月27日、中同協政策委員会が東京で開かれ、15同友会から29名が参加しました。

 まず、中同協の「2009年度国の政策に対する中小企業家の要望・提言案」について活発な議論となりました。特に、消費税率引き上げ問題や社会保障問題、財源問題などについて議論となり、これらの問題を調査検討する仕組みを検討することとなりました。

 つづいて、各同友会の政策活動報告と中小企業振興基本条例制定・地域活性化等の取り組みを交流。東京同友会から新銀行東京への追加出資問題、愛知同友会から建築確認遅延問題について、それぞれ機敏にアンケートを実施して実態を把握し、マスコミ等を動かした経験が報告されました。さらに、3月には沖縄、徳島、奈良の各県で中小企業振興基本条例が制定されたことも報告されました。

 第2部では、「道州制と地方自治をどう考えるか」と題して、岡田知弘氏(京都大学大学院教授)が講演。

 岡田氏は、「道州制導入をめぐる議論が本格化している。導入により国際競争での優位性の確保やコスト削減効果などは挙げられているが、地域がどのように活性化するのか、なぜ都府県が必要ないのか、などについては言及されていない」「住民の参加度が高まり、多面的で相乗的な政策効果が期待できるのは身近に自治体があることによるので、現在提案されている道州制政府像では、地域が広すぎて、生活領域に即した地域の個性が見えにくくなり、参加意識も低下する」と指摘しました。

 さらに岡田氏は、「日本のように地域間格差が激しい国では、フランスなどEU諸国のように多層的な地方自治制度の方が適合的である」とし、「都府県を超える広域の機能や行政サービスを道州が担うようにする、基礎自治体―都府県―道州という多層的な自治制度も有望な検討対象とすべきである」と結びました。

 最後に大橋中同協政策委員長が、「政策部門の組織と構想をしっかり組み立て、役員と事務局が一体になって運動を推進していきましょう」とまとめました。

「中小企業家しんぶん」 2008年 4月 15日号より