労使見解に学んだ増強の秘訣~年間純増200名の教訓【香川】

800名めざして、より強靭な組織づくりを

 香川同友会は、今年度の会員増強目標1650名を達成して、年間純増会員数が200名となりました。年間目標達成への道程と特徴を紹介します。

自発的に増強に参加する組織へ

例会―香川

 まず、2007年7月開催の「中同協第39回定時総会」の設営県として、全国からの参加者を迎える仲間を増やそうと会員増強に取り組み、昨年4月、1600名会員を達成しました。その会勢を一過性のものにしたくないとの思いから、今年度の目標達成をめざし、“さらに強い組織風土づくり”に挑戦してきました。

 香川同友会は1991年に207名の会員数となりましたが、その後1300名台まで後退。会勢回復の転機となった最大の教訓は、「労使見解」(中同協「中小企業における労使関係の見解」)に学び、「経営者の責任」を今1度かみしめて、増強の進まない原因を他に求めないで行動したことでした。リーダーは高い志のもとに、会員や役員が自発的に会員増強に参加する状態を同友会内に確立することが決定的に重要だと考えました。

“了解と合意”を 大切に

 今年度の特徴の第1は、釣鐘がどこを叩いても同じ音色がするのと同じように、感情の統一を目指して9月に1泊の増強研修会を開催したことです。全体の増強目標と各支部の増強目標確認や戦術立案を行い、特に主体性を保障して“了解と合意”を得るために、深夜まで語り合いました。

支部とのコミュニケーションをはかる

 第2に、組織委員会の副委員長と増強部会長が、各支部とのコミュニケーションをはかったことです。各支部とかかわり、つながりを持つことに力を注ぎ、各支部の例会や役員会を訪問して、状況を把握、増強目標の達成を訴えかけました。

 こうした行動が、増強運動の継続と増強担当役員の後継者養成につながりました。2006年度の組織増強活動では、組織委員長がリーダーとなって副委員長を育てました。その熱気が後継者育成活動として継続され、2007年度は、副委員長が部会長と一緒になって行動して伝えたことから、後継者が育ちました。

体験を感動的に伝える

 第3に、「経営指針を創(つく)る会」の受講生が、自社を変えた体験を増強訪問で語ったり、増強例会の報告者となって伝えたことです。お付き合いで入会をするのではなく、「良い会社をつくる覚悟があるか、そのきっかけが同友会にはある」「経営指針を作成して自分と会社の生きる道筋が見えてきた」など、自社が変わった事例を感動的に伝えました。

未達成支部をカバー

 第4に、全体の目標達成のために、目標を達成した支部が未達成の増強目標をカバーして全体目標の達成につなげたことです。期末の最終段階になり、香川同友会として組織全体の目標達成をすることが地域を支え、変えることにつながると信じて、カバーできる支部に訴えかけて取り組んだことが達成につながりました。

 これらの経験と教訓を生かして、2010年には1800名目標の達成に向けてより強靭(きょうじん)な組織づくりに挑戦する確認をしました。

「中小企業家しんぶん」 2008年 5月 5日号より