【中同協企業連携推進連絡会】 北の大地で産学官連携の熱き挑戦を体感

北海道「HoPE」に学び、会員企業2社を見学・交流

植松氏

 10月2~3日、北海道・札幌で第1回中同協企業連携推進連絡会が開かれ、11同友会・中同協から44名が出席。1日目は北海道同友会産学官連携研究会HoPEの8年間の成果から学び、2日目は、北海道同友会会員企業の(株)植松電機と北原電牧(株)を見学しました。

小・中学校のロケット教室でも使うモデルロケット発射実験を行う植松氏と、発射したロケットを見上げる参加者

 1日目はまず、「北海道同友会産学官連携研究会HoPE」の名付け親でもある荒磯恒久北海道大学教授(HoPE運営委員長)が、「HoPEの8年間の成果から学ぶ」と題して報告。7年間で新技術による売上総額は約20億円にのぼり、研究開発助成採択40件、特許出願112件、特許取得60件、受賞9件とのこと。荒磯氏の地元経済界、中小企業にかける熱い思いの伝わるレクチャーとなりました。

 渡辺民嗣北海道同友会理事(三晃化学(株)社長、HoPE代表世話人)は、「中小企業による中小企業のための産学官連携―HoPE活用事例報告」と題して、「産学官連携で、地域全体のことを視野に入れるようになり、経営者として成長する」などと報告しました(11月15日号で詳報)。

「農商工連携」に選定された自動給餌機など、経営戦略について報告する北原氏

2日目は、北海道同友会会員企業の(株)植松電機と北原電牧(株)を見学しました。

 人口減少・財政危機に悩む赤平市に立地する(株)植松電機は、不利な条件をもろともせず、小さな町工場が宇宙開発研究の拠点となっています。同社の植松努専務が、何事にも「どうせ無理」などとあきらめずに、宇宙開発に挑戦してきた軌跡を熱く語りました。

 同社の見学では、先例のない中で手探りしながら建てた無重力実験塔での実験や、ポリエチレンを燃料としたロケットエンジンの噴射実験などを行い、迫力ある実験に参加者から大きな歓声が上がりました。

 また、北原電牧(株)では、北原慎一郎社長が、酪農放牧施設や自動給餌機などのメーカーとして発展してきた同社の現状と今後の戦略について報告。家族経営規模の酪農家の省力化で負担を軽減するため、IT制御によって設定した時刻で無人で給餌が可能な「マックスフィーダー」の製品化の説明を聞きながら見学しました。同製品は、「農商工連携」などに選定されており、参加者からは活発に質問が出されました。

「中小企業家しんぶん」 2008年 10月 25日号より