自社と地域の展望を徹底して追求【岩手】

「本気で人育てについて考えているのは同友会」

 9月に岩手で開かれた青年経営者全国交流会(略称・青全交)。「青全交は600名会員で迎えよう」と、会員数がまだ157名だった4年前から取り組んできた岩手同友会の活動を紹介します。

 「4年後に青全交を600名で開催しよう」。理事会で決定された時、一時は200名を超えた会員数は、157名まで落ちていました。4年後を目指す上でこの時確認したことは、次の3つでした。

 1、よい会社づくりを謙虚に学び実践するための日常の会活動に全力を傾ける。
 2、運動を岩手県全域に広げるためのビジョンを掲げ、毎年着実に会員数を増やす。
 3、役員と事務局がいつも何でも話し合える関係をつくり、互いに成長し合うことを目指す。

「指針を創る会」「寺子屋」「共同求人」を支えに

 しかし、簡単なようでもっとも難しいことだと、その後実感します。200名回復までには、それから1年以上要しました。その時支えになったのが、「経営指針を創(つく)る会」と、リーダー研修会を兼ねた「同友寺子屋」、そして共同求人への取り組みでした。

 決算書を出しあい、半年かけて「何のために」を突き詰める経営指針を創る会。自社の有り様に目をそらさず、自社と地域の展望を社員と共に掲げることが問われます。

 そして、いわて同友寺子屋では、全国の同友会大学で講師をされている方々に事情を話し、各地の講座と同内容でかかわっていただきました。

 また、同時に共同求人活動に取り組むことで、会社と地域の将来像を常に意識することになり、結果として「本気で人育てについて考えているのは同友会」と地域からの期待の声が大きくなって行きました。

 いずれも4年、4期を終えましたが、期を重ねるごとに役員にとって自信となり、それが岩手同友会全体の雰囲気を醸成しました。それでも300名はなかなか達成できず、煮え切らない状況が続きました。

奮起した若手実行委員

 青全交開催まで1年余りとなった昨年6月、理事会で「毎回掲げた目標を達成できないのは、会社も同友会もそういう体質に慣れ切っているのではないか」という提起が代表理事から出されます。これに奮起したのが青全交の若手実行委員でした。1日で30名増強、300名会員一挙に達成という記録的な入会があったのはそれから2週間後のことです。

 その増強デーを境に、丁寧な会員訪問や何度も打ち合わせを行っての手づくりでの例会が地域での話題になり、今年9月の青全交開催までに420名の会員まで会勢を伸ばすことができました。

 青全交までに600名という目標は達成できませんでしたが、全力で取り組んだ結果は、5支部5地区、12の委員会部会、4人の事務局体制の組織を生みました。年度内600名を確実に達成し、来年4月新卒の事務局員を迎える予定です。

「中小企業家しんぶん」 2008年 11月 5日号より