地域と企業を担う人材育成~第5期羊蹄山麓大学を19名が終了【北海道しりべし・小樽支部】

受講生同士の絆が最大の成果

 「(1)時代変化の本質を捉える(2)幹部としての力量を養う(3)地域社会と企業経営を担う人材育成を目指す」を趣旨に、横関建設工業(株)の故武内一男氏の呼びかけで始まり、小樽商科大学との共催で行っている、北海道同友会しりべし・小樽支部の「羊蹄山麓大学」。

 2004年から毎年1期開催し、今年は倶知安町で開きました。学長は、しりべし・小樽支部長の井上一郎氏((株)光合金製作所会長)が務め、9月10日から週1回のペースで開き、11月4日に全11講を修了。19名がガラス製の輝く卒業証書を手にしました。

 講義は、地域史、経営指針、農業情勢、地域と大学、観光とおもてなし、職場のメンタルケア、暮らしと金融、教育の本質等々の多彩なテーマを設け、1泊研修やグループ討論も取り入れながら語らいの場を多く設けました。また、講義ごとの感想文で自分の考えを文章にまとめるトレーニングも行いました。

 受講生には、企業幹部のほかに若手経営者や後継予定者も多く、ようてい農協から2名の課長さんが熱心に受講。中には片道一時間以上もかけて参加する方もいました。

 2カ月間の学びを終え、羊蹄山の頂は雪でうっすら白くなりました。この間、アメリカに端を発した金融危機という激震が走りましたが、企業理念や自分の仕事の意義を再確認する機会にもなり、「地域やお客様と密着し、新たな展望を切り開かなければ」と、ほど良い緊張感が生まれました。

 卒業式は達成感に加え、「学んだ成果を、日々の仕事に生かしたい」と卒業生は希望に胸が膨らみます。共に学び、真剣に語り合って生まれた受講生同士の絆(きずな)こそ最大の成果です。「今後も同友会の仲間として学び続けましょう」とたたえあい、幕を閉じました。

「中小企業家しんぶん」 2008年 11月 25日号より