鋤柄修中同協会長は11月26日、追加経済対策を裏付ける今年度第2次補正予算案の提出先送り問題に関して次の談話を発表しました。日本経済新聞の11月27日付で談話の一部が報道されました。
世界的な金融危機に端を発した不況は、がけから落ちるようなスピードで中小企業経営を直撃しており、中小企業経営者は不安を抱えながらも日々、懸命に経営努力を重ねています。
今回の政府の緊急保証制度などの経済対策は活用できると考えています。しかし、不況が全業種に急速に広がりつつある現状に鑑（かんが）みて、緊急保証は業種を細かく指定しないで全業種に適用するなど、さらに拡充することを望んでいます。2次補正予算が先送りされることになれば、制度拡充の予算の裏付けが不十分となり、不況波及のスピードに追い付けません。すみやかな対応を強く求めます。
私たちは今特に、金融と雇用での対策を望んでいます。今後、金融機関の「貸し渋り」などが強まることが懸念され、地域で金融機関が十分かつ円滑な機能を果たせるような仕組みをつくることが重要です。貸出条件を緩和するなど金融検査マニュアルの一部を改定しましたが、さらに現状に合わせた大胆な緩和措置等を望んでいます。また、雇用対策でも過去の施策に習い、すばやい対応策が期待されます。
2次補正予算を先送りしてまで時間をかける必要はありません。2次補正で十分でなければ、すぐ3次補正を打つなど、イギリスが1週間で消費税の引き下げを決めたように、欧米諸国のような素早い政策対応が求められます。
深刻な景気後退局面に入りつつある大切なときに「安直な対応」は大いに危惧（きぐ）されます。すみやかな不況対策を望みます。
「中小企業家しんぶん」 2008年 12月 5日号より
