モデル企業を増やすことこそ正攻法【岡山】

地域や業界から注目される役員層の増加

一斉会員増強DAY出陣式で気勢を上げる岡山同友会の皆さん

 岡山同友会の創立は1985年。10年足らずの間に会員数は800名を超えるまでに急成長しましたが、バブル経済崩壊後は停滞期に入り、一時は500名を割り込みました。2003年からは再び上昇に転じ、5年連続で会員数が増加。2008年11月現在で679名にまで会勢を伸ばしています。

2010年 会員1200名を目指す

 岡山同友会がここまで会勢を盛り返すに至った背景には、目標を明確に定め、それを掲げることで、会員間のモチベーションを共有してきたという経緯があります。

 2005年に作成した「2010年をめざす第4期中期ビジョン」もその一例です。「新しい時代を切り拓(ひら)く企業づくり」と「豊かな地域づくり」を方針に掲げ、その指標として「経営指針成文化率50%」と「岡山県内会員組織率5%(1200名)」を目標に定めました。そしてその実現のために、経営指針成文化研修の一層の充実を図ると同時に、週に1度入会対象者を訪問する「プロジェクトDOYU」(支部ごとに実施)や、年に2回の「一斉会員増強DAY」などを実施し、役員らに積極的な参加を呼びかけました。

 こうした取り組みを重ねることで、既会員の増強に対する意識も次第に前向きなものとなり、新会員の数も着実に増えてきました。

金融機関が協力、30社を紹介

 先日も今年2度目の「一斉会員増強DAY」を行い、2日間で延べ42人の会員が62社を訪問。18人の入会を達成しました。その場で入会まで至らずとも、継続的な訪問や例会への招待など、粘り強い働きかけが実を結ぶ例も少なくありません。

 一方、昨年来進めてきた金融機関との業務提携も追い風となっています。金融機関にとっても取引先の経営基盤強化は大きな課題であり、同友会の経営指針成文化はその点からも高い評価を得ています。入会対象者30社を直接紹介されるなどもあり、緊密なパートナーシップを築きつつあります。

 今年6月の吉備高原支部設立や来年設立予定の東備支部など、新支部設立による増強も進めています。

経営指針成文化が増強の基盤

 増強への近道など、存在しません。会員の一人ひとりが理念を追求しつつ経営指針成文化に真剣に取り組み、経営環境を整えること。そのすべての過程が有機的に関連し合ってこその増強であり、経営理念確立と社員との夢の共有を実現し、良い会社をつくることが何よりも先決です。

 遠回りに見えても、経営指針成文化運動を中心に据えることで日常的な学びの会風を醸成し、その実践を通じて成長を続けるモデル企業を増やすことこそが、結局は一番の正攻法なのです。

「中小企業家しんぶん」 2008年 12月 15日号より