組織づくりは人づくり~3000名達成の教訓に学ぶ【愛知】

「自主と連帯」を大切に増強

地区発足(2001年4月)より7年連続で増強目標を達成した稲沢地区

 愛知同友会では、2004年以降毎年純増を続け、現在の会員数は3020名。その取り組みから学ぼうと、2月2日に東京で開かれた中同協2010年5万名推進本部会議で、内輪・愛知同友会事務局長が報告しました。その要旨を紹介します。

 愛知は、94年2300名を達成しましたが、以降10年間停滞を続けます。04年からは、毎年純増を100名前後やり遂げ、ついに昨年4月3000名を突破、現在3020名です。亀の歩みの増強でした。

 愛知の組織は、3支部(尾張、名古屋、三河)を46地区に分けて活動、各同友会の支部が地区にあたり、ここが活動の基礎組織であり、増強の主役です。支部と地区の中間にブロックも設けてあります。

ワンゲスト運動を提唱

 会員増強は4つの柱を基準にしています。

 第1は、日常的・持続的増強です。46地区が毎月行う例会に必ずゲストを誘う。「ワンゲスト運動」は愛知が最初に提唱しました。学びあい活動に参加して入会を勧めます。

 第2は、間接増強です。対外活動、マスコミ報道や行政・他団体との関係強化、公式サイト(Ainet)を通じて同友会を知ってもらう。「勉強する会」との認知度を高めることです。

 第3は、戦略増強です。いつまでに新支部、新地区をつくるか。その地域の影響力のある人にいかに入会していただくか。次は5000名の組織を展望していますが、今の3支部を10支部、46地区を60地区にしたいと考えています。

 第4は、一気増強です。フォーラム、総会などを契機に増強に取り組む。昨年4月総会をめざし3000名会員を達成しましたが、イベントでの入会は難しい。やはり、日常の地道な増強がカギです。愛知は、増強月間を設けません。

地区が主役増強のPDCAを

 愛知の増強活動は、地区が主役の「自主と連帯」を大切にした活動に特色があります。

 4月に全地区の会長や増強委員が集まり「増強の手引き」(毎年改定)を学習し、それぞれが目標を持ちスタート。「手引き」には、「増強は、同友会の中でも数少ない、具体的な数値目標を掲げて行う活動です。あたかも各企業で実際に行っている『売上拡大作戦』と同等のスタンスで活動に取り組みます」と書いてあります。つまり、増強のPDCAを年間通じてしっかり回すこと。機関紙『月刊AICHI』で目標達成地区を紹介し、他地区に連帯のエールを贈るのです。

 組織づくりは人づくりです。同友会の理念と経営を一体のものとする役員を増やそうと役員研修大学を実施、すでに会員の1割が修了しています。毎月1回増強推進本部会議を開催、入会式・オリエンテーションも支部毎に開き定着にも力を入れています。

 愛知の会風は役員、会員中心の自助努力で運営を行っていること。さらに、会員の2割を占める青年同友会(卒業40歳)が活発なことです。今後も、愛知の強みを発揮して、全県に広がる同友会をめざします。

「中小企業家しんぶん」 2009年 2月 15日号より