ラーメン開発チームが「社会人基礎力育成グランプリ」で入賞
大分同友会では、日本文理大学が昨年10月に開講した教養基礎科目「社会参画実習2」企業課題挑戦型プログラムへの協力要請にこたえ、会員企業8社が学生を受け入れました。
これは、2年生の後期科目として、学生が企業を知り、職業観を育成しつつ、自らの将来設計の能力、人間力を育成していくことが目標で、学部を超えた学生がチームを組み、さまざまな課題に挑戦し、解決策を提案していくものです。
魅力的な商品開発と生産工程の効率化をテーマにした(株)温(「ラーメンく~た」、本川忠義社長)では、女性向けや健康志向の商品開発、キャラクターの活用などを検討。そこから辛さが魅力の「炎の坦々タン麺」と、あっさりさわやかな味わいが特徴の「ゆず彩ラーメン」を商品化し、期間限定で販売しました。2月6~28日までで、2種類のラーメンあわせて1670杯を売り上げ、店舗別売上ランキングのアップに貢献しました。
また、生産工程の見直しでは、商品名や数量の配置方法、商品コードの統一、パートの勤務シフト管理、クレーム対応策などの効率化案を提案してきました。
このラーメン共同開発プロジェクトチームは、全国の大学から40チームが参加した「社会人基礎力育成グランプリ2009」(経済産業省主催)に出場し、3月5日の決勝大会において、チームワーク部門での特別奨励賞に輝きました。
大学では「それぞれに足りないものをチームワークという力でカバーしながら、プロジェクトを成功へと導いた。最もふさわしい賞」としています。
(株)温以外の受け入れ会員企業とテーマは次の通り。
法友建設(株)(リフォーム業の動向と今後の展望)、(株)光建エンジニアリング(新規事業展開、簡易GPS利用方法の検討)、(有)ドゥイット(九州ユニバーサルデザイン協会における企業向け情報発信)、レゾナント・ソリューションズ(株)(地域情報ポータルサイトeストOitaの利用者及びショップ会員を増やすには)、協栄工業(株)(企業が求める人間力とは)、(株)大分イエローハット(日々自動車を活用するにあたって、一般消費者が期待する対応・提案・サービスはなにか)、(有)コミュニケーション大分(これから求められる新規事業の開発)。
学生を受け入れた(株)温の総務部・渡辺拡朗氏のコメント
学生の社会教育のきっかけを与える手助けができればとの思いで参加しました。デモで作って終わりでは魂が入らないと思い、実際に店頭で売って終わりとしたために、それまでの烏合の衆が力を結集していくさまは、見ていて無限のパワーを感じました。
12月の学内プレゼンでは、主体性のなさから何も発表できなかった彼らが、3月には堂々と発表している姿に、成長を感じました。
結果として売上増になりましたが、当社も戦略的CSRを考えるきっかけとなりました。
「中小企業家しんぶん」 2009年 4月 15日号より